小田急など3社 新宿駅西口開発計画の「着工式 29年度にビル竣工へ
小田急電鉄と東京地下鉄(東京メトロ)、東急不動産の3社は25日、新宿駅西口地区開発計画の着工式を現地で開催した。新宿駅西口の小田急新宿駅、東京メトロ新宿駅などの直上に、駅施設、商業施設、オフィスなどが入る48階建て、高さ約260㍍の複合ビルを建設する計画で、2020年の計画公表後、小田急百貨店本館の解体などを進めていた。建物は29年度竣工(しゅんこう)予定。
開発計画地は、東京都新宿区新宿3丁目と西新宿1丁目各地内の約1・6㌶で、北側のA区(小田急百貨店本館跡地など、3社共同事業)と、南側のB区(現・新宿ミロード付近、小田急単独事業)で構成。都、新宿区などが掲げる新宿の拠点再整備方針「新宿グランドターミナルの一体的な再編」に沿って、駅と駅前広場、駅ビルなどが有機的に一体化した次世代のターミナルを整備する。
土地区画整理事業と一体となり、①新宿グランドターミナルの実現に向けた基盤整備②国際競争力強化に資する都市機能の導入③防災機能の強化と環境負荷低減――の3項目を推進する。
基盤整備では、歩行者ネットワークや滞留空間などを整備。地上と地下、デッキ(2階)をつなぐ縦方向の移動空間としてターミナルシャフト、横方向の移動空間として交通広場や南北デッキ、東西デッキなどを設ける。
都市機能ではビジネス創発機能を持たせ、防災機能強化・環境負荷低減では低層階、中層階にそれぞれ一時滞在施設を設け、防災備蓄倉庫を整備。併せて、最新技術の導入によるエネルギーの効率的運用などを図る。
A区は敷地面積約8060平方㍍。建物は地上48階・地下5階建て、延べ床面積約25万1000平方㍍。地下2階―地上10階は商業施設、12、13階はビジネス創発機能を持つ施設、14~46階はハイグレードオフィス、47、48階は頂部の展望を生かした施設を検討中。
B区は敷地面積約7660平方㍍。建物は地上8階・地下2階建て、延べ床面積約2万8000平方㍍。商業施設、駅施設などが中心。新宿ミロードの営業終了時期は未定。
着工式には、黒田聡小田急電鉄取締役・常務執行役員・まちづくり事業本部長、亀野拓也東京メトロ執行役員・都市・生活創造本部長、榎戸明子東急不動産取締役・常務執行役員・都市事業ユニット長ら関係者が出席。神事を行い、工事の安全を祈願した。
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