東急電鉄 市が尾変電所に大規模蓄電システム導入 25年度稼働 再エネ活用も
関東大手民鉄で初
東急電鉄は2025年度に、東急、東急パワーサプライと連携して、田園都市線市が尾変電所に「大規模蓄電システム」を導入する。変電所に大容量蓄電池とパワーコンディショナー(PCS)などを設置し、充電・放電に対応する同システムの導入は、関東大手民鉄で初めて。再生可能エネルギーの余剰電力貯蔵により、電力供給の安定化にもつなげる。
再エネ活用最大化めざす
東急パワーサプライの電力小売事業で培った需給管理の経験を生かし、異常時の備えとしてのBCP(事業継続計画)強化と平常時の鉄道電力の効率的利用の両立、再エネ活用の最大化に貢献できる蓄電池制御・運用・オペレーションの構築を目指す。
蓄電池はGSユアサ製で、出力2・1㍋㍗、容量10㍋㍗時。平時は夜間や日中などに電力会社が供給する電力を充電。ラッシュ時などピーク時間帯に放電することで、電力消費量の平準化と電力コスト低減を図る。
また、大規模災害による広域停電時には給電し、駅間に停車した列車を最寄り駅まで移動させたり、駅の照明やエレベーター用に使用したりできる。災害時の電源供給区間は同線たまプラーザ~長津田間、最大供給4時間。
導入後は、太陽光や風力などに由来する再エネ電力と組み合わせて活用することも計画。供給が需要を上回ると出力抑制が必要な変動再エネにおいて、発電量が増える時間帯の余剰電力を蓄電。国が掲げる再エネの主力電源化と電力系統安定化への貢献を目指す。
東急グループでは、導入で得た知見を基に、さらなる展開を検討していく。
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