交通新聞社 電子版

特集 東京・神宮前交差点の商業施設「ハラカド」オープン 東急不動産・東京メトロ

2024.04.25
「東急プラザ原宿『ハラカド』」の外観(東急不動産提供)

 来街者も文化を創造

 文化創造・発信拠点の中心に

 感度高いヒト・モノ・コトと

 「出会う」「つながる」「体験する」「楽しむ」

 東急不動産が東京地下鉄(東京メトロ)とともに整備を進めてきた神宮前交差点の商業施設「東急プラザ原宿『ハラカド』」が17日、開業した。東急グループは渋谷駅を中心とした半径2・5㌔の地域を「広域渋谷圏」として、原宿・神宮前エリアでは、世界に向けた文化創造・発信拠点とするためのまちづくりを展開。その核となるスポットの「ハラカド」の特徴や魅力を紹介する。

(卜部 正太記者)

 

 沿革・概要

 原宿・神宮前エリアではこれまで、1960~70年代の若者文化を象徴する建物の一つとして知られる「原宿セントラルアパート」など、その時代のトップクリエーターたちが集まり、さまざまな文化発信が行われてきた。

 90年代からはストリートカルチャーとファストファッション、ラグジュアリーブランドとの融合といった多様なカルチャーが生み出され、近年は来街者がファッションを中心とした購買・消費をするだけでなく、SNSを通じて自らで発信するなど、よりクリエーティブな活動ができる存在となった。

 併せて、来街者の中には、自分の好きなものを発信・表現し、同じ興味を持った人同士で交流を深めたい、他の誰かと応援し合いたい、より感度の高い発信がしたいという循環が生まれている。

 このような背景を踏まえ、神宮前交差点の複数の物件を連動させることにより、原宿・神宮前エリア全体で来街者がトップクリエーターの感性に刺激を受けて共感できる場所として「ハラカド」を開業。来街者も共に新しいカルチャーを創造させていく仕掛けがあるのも特徴の一つとなっている。

 地下1階から7階屋上テラスまでの9フロアに全75店舗(開業日段階で未発表やオープン予定の施設も含む)が集い、感度の高いヒト・モノ・コトと「出会う」「つながる」「体験する」「楽しむ」を掛け合わせることで、訪れる多様な人々の感性を刺激していく。

 ハラカドという名称には、「かど」と読む三つの漢字「角」「才」「門」によって、原宿と表参道が交わる神宮前交差点の「角」で、多様な人々の「才」を刺激・成長させて、新しい原宿カルチャーへの「門」となるという思いが込められている。

 なお、交差点向かいの「東急プラザ表参道原宿」は「東急プラザ表参道『オモカド』」へ改称。交差点を挟む2施設が連携することで、さらなる魅力向上を図る。東急不動産では2施設合わせて年間約1500万人、ハラカド単体では約1000万人の来場を想定している。

 

 施設内

 街の緑とも調和する空間に

 3階の「クリエイターズプラットフォーム」は同施設の文化創造・発信拠点としての中心的役割を担い、クリエーティブマインドを持つ多様な人々や企業が出会い共創することで、新しい文化を生み出して世界に向けて発信できる機能を実装。

 会員制のクリエーティブラウンジ「BABY THE COFFEE BREW CLUB」を中心に、角打ちスタジオ「STUDIO SUPER CHEESE」、博報堂ケトルのソーシャルクリエーティブ専門のスタジオ「STEAM STUDIO」、ラジオ局・J―WAVEによるポッドキャストスタジオとアートギャラリーを併設した「J―WAVE ARRTSIDE CAST」など、これまでにない挑戦的な全17店舗を展開し、クリエーティブ活動をサポートする。

 飲食フロアの5・6階は、多様な人々が集い新たな食文化や人との出会いを育む「原宿のまちの食堂」として、これまでの同エリアとは一線を画す過ごし方や体験価値を提供。11時から23時まで営業することで、ランチから夜の食事需要まで幅広く対応する。7階屋上テラスを含めた一帯を「HARAJUKU KITCHEN&TERRACE」と銘打ち、全23店舗が軒を連ねる。

神宮前交差点でゆったりすごす

 5階には、これまでの同エリアに少なかった日常使いできる飲食店や路地裏のような雰囲気の居酒屋などが横丁スタイルで並ぶ。6階は「神宮前の交差点でゆったりしよう」をテーマに、緑豊かな芝生ゾーンと開放的な屋上テラスがシームレスにつながり、多人数でシェアできる料理やお酒などのドリンクを各ショップからテイクアウトしてゆったりと過ごすことができる。

 7階の屋上テラスからは神宮前交差点を一望でき、街の緑と調和する庭園空間を提供。企業やブランドとのコラボレーションイベントも開催できる。さらに、交差点向かいのオモカドのメインエントランス上部に設置されるサイネージ「オモカドビジョン」がテラスから見えるため、両施設が連動したプロモーションにも活用していく。

 G階、1階、2階、地下1階には、物販やサービス店舗を中心に、これまでECサイトや地方で展開していたブランドがリアル店舗初出店、原宿・神宮前エリア初登場するなど、個性的なショップが並ぶ。4階では、フロア全体を「ハラッパ」と題し、「自然・チルアウト」×「原宿で体験」をテーマにした企画を実施。太陽をモチーフとした作品「太陽の焚き火」をはじめ、風・光・雨といった自然をテーマにしたアート作品を展示する。

 

 小杉湯原宿&チカイチ

 銭湯×多彩な企業=新体験

 老舗銭湯の2号店開業

 ハラカドの地下1階には、東京・高円寺で高い人気を誇る老舗銭湯「小杉湯」が、2号店となる「小杉湯原宿」を開業。通常の都内の銭湯入浴価格(大人520円など)で利用でき、高円寺で愛され続けている名物のミルク風呂をはじめ、熱湯と水風呂に交互に入る温冷交互浴が楽しめる作りとなっている。

 5月12日まではプレオープン期間(営業時間7~12時、18~23時)で、神宮前1~6丁目エリアの在住・在勤者限定。その後は7~23時で営業を行い、運営方法については、プレ期間の混雑状況を踏まえて決める。

まるで商店街「チカイチ

] 地下1階の一部には、銭湯を中心とした商店街のようなフロア「チカイチ」を設ける。誰もがありのままになれる銭湯という場所にちなんで「素のまま、そのまま」をコンセプトに据え、フロア名称も地下1階から取ってチカイチとした。営業時間7~23時、銭湯に入らなくても利用できる。

 チカイチには、小杉湯原宿のパートナーとしてさまざまな企業・ブランドが参加。アンダーアーマーは誰でも使えるランニングステーションとストレッチスペースを提供し、サッポロビールのスタンドでは生ビールを堪能できる。花王は「きれい」をテーマにした体験企画、美容健康ブランド・マイトレックスは美顔器、ヘッドスパなどを実際に試せるコーナーを展開する。

 チカイチは小杉湯のスタッフが運営。多様な企業・ブランドとの〝掛け算〟による新しい体験を通じて、各企業が大切にしている価値観やブランドなどへ思いを寄せる場づくりを目指す。パートナー企業は今後も順次拡大していく予定。

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