交通新聞社 電子版

墨滴 6月10日付

2024.06.10

 東急が運営するクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS」(ザ・ロイヤルエクスプレス)。JR横浜―伊豆急下田間で運行されている豪華観光列車で、静岡県伊豆エリアの優雅な鉄道旅行を満喫できる。その列車が、今度は静岡県をほぼ横断する形で運行されることが同社とJR東海から発表された▼「SHIZUOKA・FUJI CRUISE TRAIN(静岡・富士クルーズトレイン)」と名付けられた列車。3泊4日の旅行プランは全てJR東海道線を走行し、横浜駅を出発して熱海、三島、沼津、浜松、静岡の各エリアを巡り横浜に戻る▼列車旅の醍醐味(だいごみ)の一つが車窓からの風景。運行する11~12月は空気が澄んで、雪をかぶった富士山がきれいに見える日が多くなる。車両の内外装デザインを手掛けたのは、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」などのデザインで知られる水戸岡鋭治氏。額縁のような窓枠から望む富士の秀峰は感動ものだろう▼車内で提供される昼食は、沿線地域ならではの山海の幸が詰め込まれる。静岡の味と流れる景色をゆったりと堪能できるに違いない▼プランは1人75万円から。抽選販売になるが、受け付け開始から1週間の時点で、申し込みは順調だという。プランには観光、飲食などの地元関係者が大勢関わる。富士山の裾野のように、静岡県全体の地域活性化の広がりに期待したい。

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