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JR西日本グループ 構造物分野の社員4人が博士号取得

2024.05.16
博士号を取得した丹羽氏(右上)、中野氏(左上、左)、藤井氏(右下)、福田氏(左下)=JR西日本提供=

 JR西日本と同社グループ会社の構造物分野の社員4人が、このほど博士号を取得した。JR西日本鉄道本部構造技術室の丹羽雄一郎さん(46)が名古屋大学大学院工学研究科、大鉄工業の中野春彦さん(58、JR西日本から出向)が神戸大学大学院工学研究科、ジェイアール西日本コンサルタンツの藤井公博さん(37)が山口大学大学院創成科学研究科、同社の福田圭祐さん(35)が神戸大学大学院工学研究科でそれぞれ博士号を取得した。

 丹羽さんの学位論文は「鋼橋支承部ソールプレート溶接部の疲労き裂に対する予防保全型維持管理手法に関する研究」。ソールプレート溶接部に対する予防保全対策は確立された方法がなかったが、ソールプレート溶接止端部、ルート部に対する疲労耐久性の向上を実現する方法を明らかにした。ルート部の対策では、開発したタップボルトを用いて、ソールプレートと下フランジ間の隙間変位を抑制するという新たな発想による方法を提案した。

 中野さんの学位論文は「線路上空建築物における歩行による床振動の評価に関する研究」。橋上駅のような複雑な形状での歩行による振動性状の評価のため、当時在籍していたジェイアール西日本コンサルタンツで、完成間近の橋上駅2駅で歩行実験を行い、その分析・解析手法の研究に着手。大鉄工業在籍中に研究としてまとめた。

 藤井さんの学位論文は「パイルスラブ式盛土におけるジオテキスタイル土のうの水平抵抗特性と振動伝達抑制効果に関する研究」。実物大模型に対する静的な水平載荷試験、実応力状態を再現した模型振動台実験を実施し、レベル2の地震動相当の加振に対してもジオテキスタイルが砕石の抜け出しを抑制すること、土のう変形は微小で新幹線盛土の要求性能を満たすことを確認した。併せて、試験結果を基にした実物大の盛土モデルに対して解析を行い、パイルスラブ式盛土の適用範囲を確認。ジオテキスタイル土のうの水平抵抗特性を反映した解析モデル、実設計のための設計フローを提案した。

 福田さんの学位論文は「既設高速鉄道PC桁橋の構造信頼性評価および維持管理手法に関する研究」。グラウト充塡(じゅうてん)不足部におけるPC鋼材の腐食が確認されており、構造安全性の低下が危惧されている既設高速鉄道PC桁橋の構造信頼性評価手法と、それらを用いた維持管理手法についての研究を行った。

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