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西鉄自然電力合同会社 系統用蓄電池事業に参入

2023.07.26

 福岡で来年5月から

 西日本鉄道と自然電力は19日、両社が出資する西鉄自然電力合同会社において、系統用蓄電池事業に参入すると発表した。電力市場取引による収益化を図るとともに、再生可能エネルギー発電の普及、脱炭素推進への貢献につなげる。

 同事業は、大型蓄電池を既存の送配電ネットワークに接続し、「電力量」の市場取引や、電力需給の「調整力」と「供給力」の提供により収益化を図る。再エネ電源の増加で調整力のニーズが高まる中、調整力の取引市場の本格運用が始まり、事業収益化が見込めるという。

 同事業の第1弾として、西鉄自然電力では、伊藤忠商事が開発した電気自動車(EV)向け高密度バッテリー活用の蓄電システム「Bluestorage」を導入。自然電力のエネルギーマネジメントシステム(EMS)「Shizen Connect」で運用の最適化を図る。

 福岡県内2カ所の西鉄グループが所有するバス駐車場や未利用地で来年5月に運用開始予定。蓄電池容量はそれぞれ4・659㍋㍗時(一般家庭約470世帯分の1日使用量に相当)。

 自然電力のEMSは、発電側、需要側双方に再エネ発電設備・蓄電池の制御、調整力販売(バーチャルパワープラント〈VPP、仮想発電所〉)を統合的に管理する。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)活用の先進的制御を組み合わせて経済性の最大化を図るほか、多様な機器を利用可能なベンダーフリーが特徴。

 同事業では2025年度までに10カ所に増やすことが目標。将来的にはEVバスバッテリーのリユース・リサイクルなどにつなげる狙いもある。

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