JR東日本・JR東日本スマートロジスティクス 多機能ロッカー「マルチエキューブ」稼働へ 31日・東京駅が第1弾
〝1台4役〟の多機能ロッカー
JR東日本とJR東日本スマートロジスティクス(JRESL)は16日、開発を進めてきた「予約・預入・受取・発送」の〝1台4役〟をこなす多機能ロッカーの名称を「マルチエキューブ」として、31日の東京駅丸の内地下南口から順次稼働を開始すると発表した。年内に首都圏の約9駅構内に約10台、本年度中に約90駅に約100台を導入する予定。その後は25年度末までに、首都圏を中心としたJR東日本エリアと、首都圏の民鉄各社、関西、東海エリアなどを含めて合計約1000台(約3万口)に拡大する計画となっている。
名称は、多機能を指す「マルチ」と「エキ(駅)」、ロッカーのボックス形状「キューブ」を組み合わせた。ロゴはカラフルな扉を連ね、多機能ロッカーを通して新しい世界への扉が開くことをイメージした。本体のタッチパネル付近に掲出する。
マルチエキューブは4機能を1台で利用できるため、身近な駅の1台で各サービスが完結するシームレスな利用を実現。各サービスに割り当てる口数を変えられることから、都心部なら「預入」、郊外の駅なら朝は「発送」、夜は「受取」が多いなど、ニーズに即したサービスを柔軟に提供できる強みも持つ。
キャッシュレス決済専用で、交通系ICカード、QRコードと、クレジットカード(準備中)に対応。セキュリティー確保のため、預け入れ・取り出しの操作時を除いてロッカーの扉や投函(とうかん)箱の投入口は常時施錠する。
「預入」の際は決済後に扉が開錠される。また、荷物を預け入れる前にあらかじめ「To Locca」専用ウェブサイトから「予約」もできる。
「受取」は、JR東日本の通販ウェブサイト「JRE MALL」の「ネットでエキナカ」で申し込んだ「のもの」の商品を受け取るサービスを11月上旬ごろから開始予定。クリーニングの仕上がり品や処方薬の受け取りも実施を検討中。「発送」は、24年度中の宅配物の発送サービス開始に向けて準備を進めている。
東京駅丸の内地下南口(改札外)に1台(39口)、11月1日には新宿駅Suicaのペンギン広場前階段下(改札外)に1台(31口)、2日には大宮駅改札外北口ニューシャトル改札前に2台(75口)を、既存のロッカーと置き換えて設置予定。
本年度中に設置予定の90駅には、KDDI(東京都千代田区)と東海理研(岐阜県関市)で開発した「一号モデル」を採用。24年度以降に導入する次期モデルは、他のメーカーにも提案依頼して開発を検討する。
現在、JR東日本管内には交通系IC対応ロッカーと鍵式ロッカーが計約1400台設置されている。このうち800台を25年度末までにマルチエキューブに置き換えるほか、200台を新設する計画。
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