特集 38年目迎えたJRグループ JR東日本
「究極の安全」へ 新たなグループ計画が始動
昨年は新型コロナウイルス感染症が5類に移行するなど、約3年半におよんだコロナ禍が落ち着きを見せた。旅客流動のさらなる促進や〝ヒト起点〟の新しい価値の創造などに向けて引き続きまい進している。きょう1日付で喜㔟陽一代表取締役社長が就任し、経営の舵(かじ)を取る。
鉄道経営のトッププライオリティーとして掲げる、安全の先取りによる「究極の安全」の実現に向けては、昨年11月に策定した新たな安全5カ年計画「グループ安全計画2028」が始動。「築いてきた『安全文化』や安全の『しくみ』『設備』など、安全の基盤を強固にし、『これまでは想定外であったリスク』を本質の理解により想像し、安全を先取る」をコンセプトに据え、前計画(グループ安全計画2023)より1000億円積み増し、約1兆3000億円を投じて一層の安全を追求している。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、現状を分析・評価し、改善に向けた今後の取り組み方針を3月に策定。コロナ禍で著しく低下したROE(自己資本利益率)が、継続的に株主資本コストを上回るよう、ROEのさらなる向上をめざすとともに、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図る。
山形新幹線に「E8系」で時短
鉄道事業では、3月16日のダイヤ改正で山形新幹線新型車両「E8系」の営業運転を開始。宇都宮─郡山間では最高時速300㌔を実現し、東京への所要時間が最大4分短縮。「地方を豊かに」することや新たな地方創生への寄与が期待される。
生活ソリューション関連では、同社のグループ経営ビジョン「変革2027」に掲げる全ての人の「心豊かな生活」の実現を目指し、駅をヒト・モノ、コトがつながる「暮らしのプラットフォーム」への転換を目指す「Beyond Stations構想」の取り組みの一環で開設を進める駅を起点とした「スマート健康ステーション」の開設を加速中。今夏には仙台駅2階在来線改札内に「仙台ステーションクリニック(仮称)」を開業する。
まちびらきへ 準備着々
開発関連では、来年3月下旬に「TAKANAWA GATEWAY CITY」がまちびらきする。病棟などの建て替え工事を進めているJR東京総合病院は、人間ドックセンターとJR東京総合病院高等看護学園がリニューアルした上で移転して入居する「e棟」が今月8日に先行開業する。
新潟駅の高架化に伴って生まれた高架下空間には新商業施設「CoCoLo新潟」のうち、2階イーストサイド部分の50店舗が先月27日に開業。飲食や生鮮食料品・総菜、ファッション・コスメなど、バラエティーに富んだ63店舗が今月25日に開店し、グランドオープンを迎える。青森駅東口旧駅舎跡地を活用した新駅ビル「JR青森駅東口ビル」は今月26日以降、段階的に開業する。
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