JR東日本 「鉄道版生成AI」の開発に本格着手 鉄道固有の知識を学習 27年度末の完成めざす
JR東日本の喜㔟陽一社長は8日の定例会見で、鉄道固有の知識を学習した「鉄道版生成AI」の開発に今月から本格着手したと発表した。鉄道に関する法令・規則をはじめ、個々の社員や組織・分野で分散して保有している業務知識、仕事に関するノウハウを横断的・統一的に集約。社員の日常的な業務を生成AI(人工知能)がサポートし、社員は新規事業の開発や地域活性化、利用者サービスの充実といった、人ならではの創造的役割に注力できる環境づくりを目指す。完成目標は2027年度末。
同社はグループ経営ビジョン「変革2027」の実現に向け、業務変革を通じて社員の仕事の高度化を目指している。
昨年7月から生成AIチャットツールの開発に着手し、今年6月から全社員に既成の同ツールを展開。同社独自の業務内容に回答できる生成AIシステムの内製開発も進め、今月から全社員に試使用を行っている。
開発過程で、鉄道事業の規程類の量が膨大であるほか、鉄道固有の表現や図表類を生成AIが理解できていないと高精度な情報を生成できないことが判明。これを受け、鉄道分野に特化した生成AIの開発を決めた。
鉄道版生成AIは、「STEP1」(鉄道事業基礎AI)、「STEP2」(鉄道事業専門AI)、「STEP3」(鉄道事業汎用〈はんよう〉AI)の3段階で開発を進める。ベースとなる大規模言語モデルは日本語で学習したものを採用。日本語の同モデルを持つAIモデルの開発メーカーと開発を進めている。
STEP1では、鉄道事業法などの鉄道に関連する主要法令をはじめ、社内通信教育の書籍、社内広報誌、社内の基準や規程、規則、手続き類を取りまとめた社則類抄などを学習させる。
STEP2以降は、営業、技術、事務など各分野に関する専門用語を含んだ解説資料、過去の工事設計資料、通達文書・連絡文書、発生事象資料などが対象。特にSTEP3では、分野間を横断して網羅的に専門情報を学ばせ、鉄道事業に欠かせない鉄道固有の知識を持たせる。
開発過程の前半では、利用者からの問い合わせに対するより迅速な回答や、若手社員の知識レベルの底上げに活用。より専門的な情報を学習した後半では、設備や車両のメンテナンスや工事での注意点、過去の発生事象などを提示しての作業の安全性向上、分野をまたぐ調整時の回答などの実現を目指す。
開発したモデルは、社内の各業務で必要とされる知識レベルを備えていることなどを評価。ステップごとに正答率を評価することで段階的な性能アップを図る。
将来的には鉄道事業の生成AI利活用の基盤と位置付けるとともに、社内システムと連携させて業務上の提案を生成させるなど、社員は最終判断を行うようにして業務負荷の大幅軽減につなげる。また、各鉄道事業者が共通で利用できる生成AIモデルの開発も目指す。他の事業者が利用できる仕組みを検討するなど、将来にわたって安全でサステナブルな日本の鉄道インフラづくりに貢献していく。
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