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指定席 JR東日本首都圏本部・津田正樹氏

2024.09.13
津田 正樹氏

 6月に開業した中野駅南口の新施設「NAKANO stand」の構想・企画・開発推進を手掛けたJR東日本首都圏本部マーケティング部マーケット創造ユニット・エキナカ活性化・開発担当

 津田正樹(つだ・まさき)氏 

 約140平方㍍の空間の奥にニューデイズ。手前にみどりの窓口と、現地取材した沿線の銭湯やカフェなどまちの風景や文化の情報を紹介する「TOWNSCAPE」などの「standスペース」。中央部には沿線地域や地方の産品、同社グループの紀ノ國屋のこだわり商品をそろえ、壁面を利用してアート作品の展示も行う。

 入り口側に置くのはニューデイズか、みどりの窓口とstandスペースか。「窓口を手前に置くと、外から施設全体が見える。窓口が奥にあると、ニューデイズの利用者がstandスペースを目にする機会が減ってしまう」。配置のこだわりは、関係者との半年間に及ぶ話し合いで実現した。

 大学時代は建築デザインを専攻。入社後、会議室を社員用のコワーキングスペースに造り替えるデザインを手掛けた。壁3面に同じ高さで連続して設置したカウンターは、床面に段差を設けることで場所によってデスクにもベンチになる。会議やテレワーク、休憩などが同時に可能で、「フラットな立場で意見交換ができる場」を形にした。

 その経験は「仕切りのない空間に多くの機能があるNAKANO standにも生きた」。中野らしい「レトロモダン」をコンセプトに、みどりの窓口には折り上げ格天井を採用。内装は濃淡のある深緑色のイタリア製タイル、木目調の壁、白い床で統一し、黄色味を帯びた照明が洗練の空間に昇華させている。

 「中野や地方の魅力を発信し、日常使いと〝ちょっといいもの〟がそろっている点が好評」と手応えは十分。「もっと認知度を高め、愛着を持って使われる施設に育てていきたい」。こだわりを持って生み出した空間へ注ぐまなざしに愛情があふれる。(岡崎 慎也記者)

 略歴 2020年4月JR東日本入社。東京支社(現・首都圏本部)新宿建築技術センター、同支社事業部企画・地域共創課などを経て22年10月から現職。徳島県鴨島町(現・吉野川市)出身。27歳。

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