交通新聞社 電子版

連載 「にぎわいの新拠点 ―幕張豊砂駅開業後のまち―」 ㊤開業効果が〝まち〟に波及

2024.06.19
純白の三角形の大屋根が目を引く幕張豊砂駅舎

 鉄道利用者が増加・定着

 JR京葉線18番目の駅として、昨年3月18日に幕張豊砂駅が開業して1年余り。周辺は既存の大型商業施設のほか、今年3月には駅前にホテルやバーベキューテラスなどもオープンした。集客施設の充実で、週末を中心にファミリー層などが多く利用する駅として定着しつつある。駅を拠点に幕張新都心エリア全体の利便性や回遊性の向上を目指す官民連携の取り組みも進む。駅の誕生をきっかけに、にぎわいの波はまちへと広がっている。(岡崎 慎也記者)

 駅舎は自然光を取り込む白い膜屋根が印象的。正面から見ると、青空に突き出した三角形の大屋根は潮風の香りと相まって海に乗り出す帆船を思わせる。列車が到着して大勢の利用者が改札口を抜けてきた。

 週末には、駅から近い「イオンモール幕張新都心」や「コストコホールセールジャパン幕張倉庫店」などへ向かう家族連れや若者たちが目立つ。一方、平日は商業施設の従業員の通勤需要が多い。駅業務を受託するJR東日本グループの千葉ステーションビル(SB)くらしづくり本部地域・沿線共創部の渡邊裕也主任は「降車客は千葉市や千葉県習志野市など近隣の駅からの利用が多い」と話す。

[[駅開業でモール来店者が大幅増]] イオンモール幕張新都心への来店手段は、マイカーを筆頭に自転車・徒歩、鉄道、バスと続く。2023年度の来店者数は前年度比約20%増と大きく伸びた。「これまで車で来店できなかった学生やベビーカー利用の方が幕張豊砂駅から多く来店している」とイオンモール担当者が説明する通り、駅開業後は鉄道利用者が増加・定着している。

 駅の開業後、夏の花火大会などのイベント時や春の花見シーズンなどは特に駅利用者が多かった。これまで幕張新都心エリアの交通拠点は海浜幕張駅に集中していたこともあり、千葉市の担当者は「一定の交通機能の強化、分散化が図られた」と評価。「駅の開業効果などで、周辺地区への来場は公共交通機関の利用が増えている」と分析する。

[[「ペリエ」3館でエリア情報発信]] 千葉SBが展開する京葉線沿線の商業施設「ペリエ」3館では、幕張豊砂エリアの情報発信も展開している。渡邊主任は「駅の開業から1年余りが過ぎ、全体的に来街者が増えて良い効果が見られる。引き続きにぎわいづくりに努めたい」と強調する。

 明るい駅舎を出ると、正面に真新しい建物がそびえている。「JR東日本ホテルメッツ プレミア 幕張豊砂」だ。

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