JR東日本 東北・上越・北陸新幹線の架線故障 緊急点検結果と暫定対策を発表
JR東日本は1月30日、東北・上越・北陸新幹線上野―大宮間で23日に発生した停電と架線故障について、緊急点検の結果と対策を発表した。
「滑車式自動張力調整装置」(WTB)の重錘(じゅうすい)ロッドのひび割れの有無を、管内の新幹線全線(新幹線車両センターを含む)490カ所で至近距離から目視で点検した結果、異常がないことを確認した。
これを受けて同社は、浸透探傷試験により重錘ロッド表面のクラック(きず)の有無を確認する追加点検を開始した。本線上の393カ所を対象に実施し、6月末までに完了する計画。既に東京―大宮間の対象7カ所は同点検を完了し、異常がないことを確認している。併せて、同7カ所では重錘ロッドを取り換える。取り換え完了までは、ワイヤーによる二重防護措置を実施し、重錘ロッドが万一破断しても架線が垂下しないよう対策を講じる。
また、同種事故の再発防止に向けた暫定対策として、394カ所(破断発生箇所と同設備対象箇所)に重錘落下防止金具を7月末までに取り付ける。
恒久対策では、WTB設置箇所のうち、約440カ所(新幹線車両センターを含む新幹線全線)を「ばね式自動張力調整装置」(STB)に順次取り換える。構造上の条件などでSTBの設置が難しい約50カ所を除く。
STBは、WTBと比べて部品点数が少なく、メンテナンスが容易な構造が特徴。管内の新幹線全線のうち、既に全体の約9割に当たる約4000カ所がSTBとなっており、このうち約2100カ所はWTBからSTBに置き換えたもの。
管内の在来線全線のWTBは、次の多客期に当たるゴールデンウイークまでに目視点検を完了する方針。
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