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日本鉄道施設協会 「2023年度(第38回)総合技術講演会」 調査・計画部門 最優秀賞

2023.11.02
杉山涼亮氏

 最優秀賞【調査・計画】

 自治体と鉄道事業者が一体となった連続立体交差化計画変更案の策定

 ~仮線方式から別線方式への見直しによる事業の推進~

 

 JR東日本東京建設プロジェクトマネジメントオフィス

 杉山涼亮

 

 川崎市が計画している南武線矢向―武蔵小杉間の連続立体交差化事業にあたっては、2017年に同市から仮線方式による事業表明がなされたが、その後の社会経済状況の変化もあって事業着手時期の見送りを検討しながらも、大幅なコストダウン・工期短縮が見込まれるのであれば事業推進が可能との意向を受けていた。

 当初計画の仮線方式から別線方式に変更することにした。2線同時に高架橋を構築して切り替える2線別線方式、1線ずつ高架橋を構築して行う1線別線方式の2案について検討。

 その上で既都決線を変更せず幅員10㍍の道路を配置でき、かつ高架橋東側の当社用地を有効活用して自転車道、歩道を配置できる1線別線方式の実現可能性が高いことを確認した。その後、自治体が都市計画変更を許容したことで都市計画上の課題を解決した。

 当初計画の高架高さ約12㍍の1柱式の構造は、設計上の基準を満たしていなかった。

 高架Ⅰ期の状態で1柱式を成立させるためには、8㍍程度まで高さを低減させる必要があったが、鹿島田駅と平間駅では高架橋と歩行者デッキが物理的に干渉する。

 このため、高架化に伴い支障する範囲を一部撤去、歩行者デッキを駅部の中層階に接続する計画を取りやめて、駅部の構造を2層から1層に変更する案を自治体に提示した。

 1線別線方式、鉄道構造物を変更によって高架橋躯(く)体のコンクリート量を当初計画から約25%削減、施工量も削減することができた。

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