JR東日本 第32回鉄道安全シンポジウム
JR東日本は20日、東京・池袋のホテルメトロポリタンで「第32回鉄道安全シンポジウム」を開催した。深澤祐二社長をはじめ役員、社員のほか、グループ会社やパートナー会社、協力会社も参加。来賓として国土交通省、JR各社など他の鉄道事業者、有識者ら約350人が聴講した。Zoomによるオンライン配信(事前登録約3500人)も行った。
同シンポジウムは、安全について幅広い視点から議論しようと1990年から行っている。今回のテーマは「本質をふまえ、想定外も想像して安全を先取る~『グループ安全計画2028』~」。
オープニングスピーチで深澤社長は「安全は継続して取り組むのが非常に重要。グループを取り巻く環境が大きく変化する中で、未知の事象を含め、安全をどう考えていくか」とした上で、今回のテーマについて「想定外というと無理難題と思うかもしれないが、問題に気づき、うまくいっていることの中から工夫やコツを共有することで、安全を先取ることを具体的に考えていく。計画を作って終わりではなく、さらに安全のレベルを上げていく取り組みをしていきたい」と述べた。
続いて、大森健史執行役員・鉄道事業本部安全企画部門長が、今月7日に発表した「グループ安全計画2028」について説明。意識して「気づき」を増やし想定を広げていくことが重要とし、これまでは考えもしなかったリスクを想像して備え、表面的な手順を覚えるだけでなく、意味や仕事の本質を理解して取り組むよう呼び掛けた。
また、和田尚日本航空運航本部運航訓練部訓練審査企画室調査役兼A350飛行訓練教官が「チームとプレイヤー」をテーマに講演。A350導入に伴うパイロット育成に当たり、安全を根本から再構築するプロセスと、背景にある考えについて語った。
クロストークでは、鈴木均常務・鉄道事業本部副本部長をコーディネーター、和田調査役をアドバイザーに、千葉支社千葉機械設備技術センター、東北本部郡山総合車両センター、首都圏本部品川保線技術センター、八王子支社甲府統括センターと、日本リーテック鉄道本部高崎支店の5職場代表が、先進的な取り組み事例を紹介。苦労や工夫のポイントなどを掘り下げ、議論を深めた。
最後に、渡利千春副社長・鉄道事業本部長がクロージングスピーチを行い、「さまざまなリスクにどうしたら気づけるか、一人一人が考え、挑戦することが大事。いつも心に命の大切さ、安全の種火をともしながら進んでいこう」と締めくくった。
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