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JR東海 リニア中央新幹線 神奈川県駅(仮称)新設工事を報道公開

2022.06.01
工事が進む神奈川県駅(仮称)。奥が名古屋方

 JR東海は5月30日、相模原市緑区のリニア中央新幹線神奈川県駅(仮称)新設工事の状況を中間駅として初めて報道陣に公開した。同駅は、建設を進めている同新幹線品川―名古屋間(約286㌔)の中間駅4駅のうち、唯一の地下駅。2019年11月に着工し、現在は駅中央部で掘削を進めている。

 現場はJR横浜線・相模線・京王電鉄相模原線橋本駅前に広がる神奈川県立相原高校の移転跡地を中心とした約11㌶。うち駅部は約3㌶で延長約680㍍、最大幅約50㍍、深さ約30㍍に2面4線を設ける。東端部の品川方は第一首都圏トンネル、西端部の名古屋方は第二首都圏トンネルに接続する。

 駅部のうち約70㍍は国道16号との交差部で、分岐設置のため非開削のURT工法で大断面トンネルを構築。残る約610㍍は開削工法で駅函体(かんたい)を構築する。開削工法は、近接する構造物の有無と工事ヤードの広さによって、2種類を採用した。現在は深さ約17㍍まで掘削を進めている。

 一つは、建物などが近接するエリアで、地下に向かって仮土留めの連壁を構築し、それを支える鋼材の支保工を設置して段階的に掘削する方法。都市部での一般的な工法とされている。

 もう一つは、構築物がなく、広いヤードを活用した方法で、地表面の固く安定した関東ローム層の地盤をのり面を築くように斜めに掘り進め、その後は砂礫(されき)層の地下部で仮土留めの連壁を打設。壁をアンカーで支えながら徐々に掘削する。

 掘削完了後は、底部から駅構造物の函体を構築していく。函体の完成はおおむね25年度を見込んでいる。

 公開後、囲み取材に応じた中央新幹線推進本部中央新幹線建設部中央新幹線神奈川工事事務所の吉川太郎担当課長は「神奈川県の協力により県立高校の跡地を広く使用することができ、工事は順調に進んでいる。これも地域の方のご理解や県、市など関係箇所の協力があればこそだと考えている。今後とも工事の安全、環境の保全、地域との連携を大切にしながら、工事を確実、安全に進めていきたい」と述べた。

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