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東京メトロ 丸の内線御茶ノ水橋りょうなど 登録有形文化財に

2023.11.28
御茶ノ水橋りょう(東京地下鉄提供)

 文化審議会は24日、新たに290件の建造物を有形文化財(建造物)に登録するよう文部科学大臣に答申した。このうち鉄道関係は、東京地下鉄(東京メトロ)丸ノ内線の御茶ノ水橋りょう、御茶ノ水駅出入口上家、四ツ谷こ線橋、銀座線浅草駅4番出入口上家の4件。御茶ノ水橋りょうと四ツ谷こ線橋は、東京都所在の土木構造物として初の登録となる。

 登録有形文化財は、原則として建設後50年を経過したもので、歴史的景観への寄与など一定の評価を得たものを文化財として登録。緩やかな規制により保存と活用を図る制度。今回の答申を含めて件数は1万4035件となる予定。

 東京メトロの4件のうち、御茶ノ水橋りょうは1955年の竣工(しゅんこう)で、神田川上に架設。橋長36㍍、桁高を抑えた鋼製1連桁。地下鉄では貴重な車窓と風致地区の景観に配慮して、厚みが薄く面取りした桁橋の表面を平滑に仕上げるなど、当時の高い技術が見られる。四ツ谷こ線橋(59年竣工)は橋長110㍍の鋼製4連桁橋で、JR中央線上に架かる。

 御茶ノ水駅出入口上家(53年竣工)は鉄筋コンクリート造り、白色の外観で、地上階ほぼ全面に水平連続窓を配したモダニズム建築の好例。浅草駅4番出入口上家(31年ごろ竣工)は鉄筋コンクリート造りで、寺院建築をモチーフとした。

 いずれも建設から50年以上が経過し、建設当時の意匠を保っていることが評価された。東京メトロは今後も、各施設の適切な維持管理を通じて文化財建造物を守り、地域の発展に貢献していく。

 鉄道関係ではこのほか、石田禮助第5代国鉄総裁の別邸主屋・洋館「旧石田家国府津別邸主屋」「同別邸洋館」(神奈川県小田原市)、明治時代に九州鉄道がドイツから輸入し、上田丸子電鉄の鉄道橋に移設された後、現在は歩道橋となっている「りんどう橋」(長野県上田市)、戦前の洋風駅舎「旧国鉄紀勢西線紀伊湯浅駅本屋」(和歌山県湯浅町、同町所有)の登録が答申された。

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