運輸総合研究所 交通系キャッシュレス決済でセミナー 東西鉄道5社登壇でディスカッション
運輸総合研究所は17日、東京都内で「どうなる?今後の交通系キャッシュレス決済~鉄道事業者の戦略~」をテーマに第91回運輸政策セミナーを開催した。
セミナーでは、JR東日本メカトロニクスの椎橋章夫名誉顧問(JR東日本顧問)が「IC乗車券の開発導入と今後の展望」をテーマに基調講演。JR東日本のSuicaについて、乗車券のほか、電子マネー機能やデータのマーケティング活用、クレジットカードとの一体化といったビジネスの革新をもたらしたと説明。さらなる多機能化に向けて、運賃計算などの機能をセンターサーバーに集約したことや、SuicaのIDと各種情報の連携など、今後のサービス拡大の方向を示した。
また、運輸総研の渡邉洋輔研究員が「海外の交通系キャッシュレス決済の事例」を報告。ICカード対応路線でも、QRコードやクレジットカードのタッチ決済などが進んでいることを説明し、ブルートゥース機能活用や掌紋認証といった新たな改札機の事例を挙げた。
パネルディスカッションでは、JR東日本、東急電鉄、近畿日本鉄道、南海電気鉄道、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)の担当者が登壇。JR東日本はSuica活用例としてオフピーク定期券や地域連携ICカード、新幹線eチケットなど、東急は田園都市線で実証中のQRコードとクレカタッチサービスの概要と今後の展開などを紹介。
近鉄はQRコード乗車券導入経緯、南海はクレカタッチ決済導入と各種キャンペーンの周知効果、大阪メトロは顔認証改札の実証などについて述べ、3社とも他の決済手段についての導入・拡大の計画を示した。
登壇者は「2025年の大阪・関西万博に向け、ストレスフリーな移動を提供したい」「ICカード共通基盤化を進めたい」「より便利なまちづくりに活用していきたい」などと述べた。
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