JR貨物 24年3月期決算 費用増響き営業赤字拡大
JR貨物は13日、2024年3月期連結決算を発表した。運輸収入やマンション販売が前期を下回ったものの、「東京レールゲートEAST」などの建物貸付が堅調に推移して売上高は微増に。原材料費の高騰や減価償却費の増加など営業費の増加が響き、営業赤字は拡大。経常損失、当期純損失は、移転協力金の受け取りなどのため赤字額が改善した。営業赤字と経常赤字の計上は2期連続、最終赤字は3期連続。
次期は、大型コンテナの取扱量拡大や中・長距離帯のネットワーク整備、「積替ステーション」や「パレットデポ」を活用したモーダルコンビネーションの推進などにより輸送量を拡大。営業費は引き続き増加が見込まれるもののコスト削減を徹底し、各損益の黒字転換を見込む。
前期の連結は営業損失36億4400万円、経常損失43億6400万円、当期純損失40億9800万円。単体は営業損失54億5600万円、経常損失63億2300万円、当期純損失52億8800万円だった。
鉄道ロジスティクス事業は売上高1696億7400万円(前期比1・4%増)、セグメント損失152億2600万円(3億4200万円悪化)。単体の鉄道事業は売上高1361億5300万円(1・4%増)、営業損失166億5600万円(4億5300万円悪化)。
輸送量はコンテナ1810万7000㌧(1・2%減)、車扱い841万6000㌧(1・7%増)、合計2652万4000㌧(0・3%減)。コンテナは、外食やインバウンド需要が増加した食料工業品、鉄道へのモーダルシフトが進展した積み合わせ貨物、半導体不足が解消した自動車部品などが前期を上回った一方、化学薬品、化学工業品、紙・パルプなどは需要低迷で減送となり、全体で前期を下回った。車扱いは、外出機会の増加によるガソリン需要の高まりで石油が前期を上回り、全体でも増加した。
不動産事業は売上高203億4400万円(7・6%減)、セグメント利益99億900万円(7・8%減)。分譲マンションの販売が前期に比べて少なかったことなどで減収減益だった。
リース業などのその他事業は売上高46億2400万円(11・9%増)、セグメント利益2億5900万円(0・4%減)。
次期の業績予想は、連結が売上高2012億円(6・7%増)、営業利益30億円、経常利益21億円、当期純利益42億円。単体が売上高1657億円(8・6%増)、営業利益13億円、経常利益3億円、当期純利益32億円。
【JR貨物(連結)】13日
売上高188,539( 0.5)
営業利益△4,782( ―)
経常利益△4,291( ―)
当期純利益△3,505( ―)
【JR貨物(単体)】13日
売上高152,585( 0.2)
営業利益△6,791( ―)
経常利益△6,282( ―)
当期純利益△4,770( ―)
単位百万円、カッコ内増減%
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