23年3月期決算 近鉄グループホールディングス
国際物流子会社化で増益【近鉄グループホールディングス】
前期の緊急事態宣言発出に伴う外出自粛や店舗休業などの反動、経済活動の正常化が進んだことによる人流増加のほか、昨年7月の近鉄エクスプレスの連結子会社化が寄与し、大幅な増収増益となった。前期の営業利益は38億6400万円。
次期は引き続き増収を見込むものの、近鉄エクスプレス連結子会社化で持ち分法投資利益が減少し、為替差益の計上で経常利益は微減。近鉄エクスプレス連結子会社化の段階取得に係る特別利益がなくなり、最終利益は減益となる見通し。
今回の決算発表では、同社グループのKNT―CTホールディングスの子会社が新型コロナウイルス関連受託業務で過大請求を行っていたことについて、KNT―CTと子会社が受託業務全件の緊急社内点検を実施し、点検を通じて確認した過大請求額を基にKNT―CTホールディングスが連結売上高を減額修正。グループ全体の連結業績に反映させたことから、決算期末後50日を超える遅延となった。
運輸業は、コロナ禍の影響縮小により売上高1917億3600万円(20・7%増)、セグメント利益130億6900万円(前期は27億2100万円の赤字)。近畿日本鉄道の鉄道輸送人員は定期3・8%増、定期外21・4%増、合計10・0%増。旅客運輸収入は定期3・2%増、定期外32・3%増、合計20・8%増。
不動産業は、前期に一部オフィスビルを証券化した反動減や、ホテル資産売却による賃貸収入の減少が響き、売上高1638億3100万円(11・4%減)、セグメント利益160億2400万円(45・4%減)。
近鉄エクスプレスの連結子会社化に伴い新設した国際物流業は、売上高7108億5500万円、セグメント利益233億1700万円。流通業は、売上高2027億3800万円(7・7%増)、セグメント利益27億400万円(15億1300万円の赤字)。
ホテル・レジャー業は、旅行業で全国旅行支援を活用したツアーの販売や旅行業以外の業務受託に注力したことなどで売上高2926億3800万円(75・6%増)、セグメント利益91億5200万円(216億8500万円の赤字)。その他業は、売上高355億4500万円(32・2%増)、セグメント利益34億6000万円(102・5%増)。
次期の業績予想は、売上高1兆8200億円(16・6%増)、営業利益840億円(25・1%増)、経常利益740億円(0・8%減)、当期純利益440億円(50・4%減)。
=2日発表=
【近鉄グループホールディングス(連結)】2日
売上高1,561,002(125.7)
営業利益67,144( -)
経常利益74,612(143.4)
当期純利益88,779(107.6)
単位百万円、カッコ内増減%
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