墨滴 3月15日付
2015年3月14日の金沢開業から9年余。いよいよ北陸3県(富山、石川、福井)を結ぶ北陸新幹線の営業運転があす16日から東京―敦賀間で開始される。福井県内は敦賀までとはいえ、1997年10月1日の高崎―長野間開業を経て全国新幹線鉄道整備法に基づいた文字通り「北陸新幹線」としての開業を迎える▼16日は延伸区間の敦賀駅などで、JR西日本をはじめ地元関係者による記念セレモニーが開かれ、待ちに待った「わがまちの新幹線」の誕生に沸くに違いない。とりわけ、新幹線開業がもたらす経済波及効果に期待を寄せる観光関係者にとって喜びはひとしおだろう▼年始めの1月1日に発生した能登半島地震による観光風評被害なども、依然として残る中での超特急の開業だが、延伸開業を機に石川県西部や福井県内を着地とするツアーを計画する人も見られ、上々の滑り出しでこの日を迎える▼「北陸応援割」も既に完売御礼状態らしい。地震で被災した地域を旅行という側面から応援したい、とする思いの表れだろう。話題性のある割引率だけが取り上げられているケースも見られるが、割引の有無にかかわらず、一人でも多くの人が現地を訪れることが復興への近道と考える▼新線開業フィーバーは当面は続くと思うが、半年後、1年後も持続させていくことが大事になる。「何度でも行きたくなる」仕掛けづくりが不可欠になってくる。
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