JR西日本など 「城端線・氷見線鉄道事業再構築実施計画」とりまとめ
事業主体変更を申請へ
JR城端線・氷見線を中心とした地域交通全体の持続性の確保や活性化を目指す「第5回城端線・氷見線再構築検討会」(構成メンバー=富山県、高岡市、氷見市、砺波市、南砺市、JR西日本、あいの風とやま鉄道、オブザーバー・国土交通省北陸信越運輸局)が18日に富山市で開催され、「城端線・氷見線鉄道事業再構築実施計画」がとりまとめられた。今後は「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」(地域交通法)に基づき、国土交通大臣に申請する。
計画は、城端線高岡―城端間(29・9㌔、14駅〈高岡を含む〉)と氷見線同―氷見間(16・5㌔、8駅〈同〉)の事業主体を、JR西日本から第三セクターのあいの風とやま鉄道に変更することを盛り込んだもの。2022年度の1日当たりの平均通過人員は、城端線が2481人、氷見線が2157人。両線とも単線・非電化。
実施予定期間は来年2月15日から34年3月31日まで。事業主体の変更時期は、新型車両導入完了時期(計画開始からおおむね5年)を据えている。
事業に要する経費は、鉄道施設整備費342億円、経営安定支援40億円の計382億円。関係者の負担額合計は、国128億円、県・市150億円、JR西日本150億円。JR西日本の拠出金余剰分(46億円)は、計画期間後の負担に備え、経営安定基金に積み立てる。
取り組み事項は、新型車両34両の導入、運転本数の増・新車導入・パターンダイヤ化に伴う改良、交通系ICカード対応改札機の設置、両線の直通化、利便性向上・持続性向上のための設備改良など。運転本数については、両線とも1日当たり60本程度(現行・城端線42本、氷見線36本)、あいの風とやま鉄道高岡―金沢間(63本)並みを想定する。
事業の効果は、利用者数は22年度と比べて1日当たり約2400人増加(1日当たり1万2000人)、路線収支は計画最終年度で年間7億600万円の赤字(3億8000万円改善)を計画する。
JR西日本では「当社としては計画の認定後、その着実な推進を通じ、地域のまちづくりに合わせた持続可能で利用しやすい交通体系の実現に向けて、引き続き地域の皆さまと共に取り組んでまいりたいと考えています」とコメントしている。
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