JR西日本など 公道で自動運転・隊列走行のBRT実証実験 山陽線西条駅―広島大学東広島キャンパス間
24年1月中旬~2月上旬 市民向け試乗会も
JR西日本と広島県東広島市は7日から、自動運転と隊列走行技術を用いたBRT(バス高速輸送システム)の実証実験を山陽線西条駅と広島大学東広島キャンパスを結ぶ県道・市道「ブールバール」で開始した。連節バスによる公道での自動運転、大型バス車両を使った公道での自動運転隊列走行はいずれも全国で初めて。来年の1月中旬~2月上旬には市民らを対象とした試乗会を予定している。
同BRTは、JR西日本とソフトバンクが滋賀県野洲市の専用テストコースで実証実験を行っていたもので、実用化時の姿としては、専用道で異なる自動運転車両が隊列走行する形を設定している。一方、JR西日本と東広島市では昨年11月にBRT導入に関する連携協定を締結し、実証実験の実施などに向けた検討を進めていた。
同市での実証実験は、BRTや自動運転・隊列走行技術の社会実装に向けた課題の検証・洗い出し、市民らにBRTや自動運転・隊列走行の新技術に関心を持ってもらうことなどを目的に行う。
実施体制と役割は、東広島市(事業主体、政策形成)、JR西日本(全体管理、自動運転バス車両提供)、中国ジェイアールバス(テストドライバー、車両保守)、ソフトバンク(実証実験データ分析、通信提供)、先進モビリティ(自動運転制御システム)、TAISEI(給油オペレーション)、ジェイアール西日本コンサルタンツ(導入へ向けた地上設備検討)、国土交通省中国地方整備局(路車協調システム実証実験の路側機器提供)、広島県(道路管理者)、広島大学(アンケート分析協力など)、芸陽バス(運行協力など)。予算面では、国土交通省地域公共交通確保維持改善事業(自動運転実証調査事業)の補助制度などを活用する。
実施時間帯はおおむね9時30分~16時30分。使用車両は連節バス、大型バスの2台。ともにテストドライバーが乗車。行路は1周約12㌔で、このうち自動運転区間は約6㌔。隊列走行については、自動運転区間内の1・5㌔の範囲内で実施。車間距離15㍍を基本とし、準備走行での状況も踏まえて調整する。
試乗会は、1月中旬~2月上旬の土・日曜日を含む12日間行うことで検討している。運賃は無料。運行ダイヤは1日4便程度、1便当たり1時間程度。定員は1便当たり25人程度。申し込みはコミュニケーションアプリ「LINE」で12月中旬ごろから受け付ける予定。
初日は大学会館前バス停付近で報道公開が行われ、近藤創JR西日本鉄道本部イノベーション本部次世代モビリティ兼中国統括本部広島支社地域交通担当課長は「公共交通の一つとして、安全、快適に利用していただけるように実証実験を進めていきたい」、梅貴政同市地域振興部地域政策課長は「新しい技術を用いた取り組みで、市民の皆さまに明るいニュースとして受け止めてもらえることも期待している」と述べた。
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