JR西日本 QRチケット導入 近畿圏244駅、24年度下期以降
万博来訪客の利便性向上
JR西日本の長谷川一明社長は20日の定例会見で、近畿圏在来線駅の自動改札機にQRリーダーを設置し、2024年度下期以降に244駅を対象としてQRチケットサービスを順次開始すると発表した。チケットレス化による利便性向上に向けた取り組みの一環で、25年の大阪・関西万博を契機に国内外から関西を訪れる人たちの快適な旅のサポートにつなげる。
同社では、「中期経営計画2025」で「移動と暮らしを豊かにする鉄道サービスの充実」を掲げ、便利でシームレスな移動の実現を目指し、ICOCAを軸にチケットレス化を進めている。現在のICOCA発行枚数は約3000万枚。このうちモバイルICOCA利用者は約100万人。近畿圏でのIC利用率は約9割となっている。
今回のQRチケットサービスは、さらなるチケットレス化に向けて、近畿圏在来線駅の211駅の自動改札機に新たにQRリーダーを搭載。さらに、QRリーダーのない33駅でも、利用者自身でQRコードを読み込むことで利用可能とする。自動改札機へのQRリーダーの設置は来年4月から開始予定。
利用イメージは、関西の鉄道事業者7社を運営主体とし、現在準会員を含めて76の事業者が参画する関西MaaS協議会提供の「KANSAI MaaS」アプリ、JR西日本の「tabiwa by WESTER」「インバウンド向けQRサービス」で、周遊券などのQRチケットを購入。自動改札機の場合は、スマートフォンに表示されたQRコードを改札機のリーダーにかざして通過する。
「KANSAI MaaS」アプリでは、他の鉄道事業者、私鉄と連携したきっぷの発売も協議会で検討している。
会見で長谷川社長は「関西の主要な観光地を巡っていただけるように、西は姫路、東は長浜までの244駅を対象としている。国内外のお客さまの便利でお得な移動を実現できれば」と述べた。
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