JR西日本 「N700S」10編成追加投入 500系27年めど営業運転終了
JR西日本の長谷川一明社長は24日の定例会見で、山陽新幹線の安全性・快適性向上の取り組みとして、2026年度から28年度にかけて東海道・山陽新幹線のN700S(1編成16両)を10編成追加投入するとともに、従来「のぞみ」として運用していたN700系(同)を、山陽新幹線「こだま」向けに8両編成化する改造工事を計10編成で実施すると発表した。この工事により、500系の営業運転は27年をめどに終了する。
今回追加投入するN700Sは、パンタグラフへの飛来物付着などを画像解析で検知し、運転士や指令所の係員に通知する飛来物検知機能を備えているほか、車両データ伝送機能の強化、バッテリーによる空調稼働機能を追加。車内では、個室の導入による快適性・利便性の向上や、自動座席回転装置を導入し整備作業の省力化を図る。
一方、N700系を8両編成化する改造工事は、26年度から29年度にかけて博多総合車両所で実施。改造工事を行うN700系は、ATCとブレーキシステムの改良により、地震時のブレーキ距離を500系よりも短縮して安全性が向上する。
また、大容量のデータ通信を実現することにより、詳細な機器データの取得・分析を可能としている。車両の状態監視機能が従来の500系や700系からさらに強化され、安全性、安定性向上が図られる。
改造工事では、1編成当たり車いすスペースを4席設け、快適性、利便性向上を図る。
27年をめどに営業運転を終了する500系は、同社が設計段階から単独で開発した車両。1997年3月22日のダイヤ改正から営業運転を開始した。当時国内最速の時速300㌔で営業運転を行い、新大阪―博多間を最速2時間17分で結んだ。
高速運転を支え、かつ騒音を抑えるためのロングノーズの先頭形状や、円筒形の車体、フクロウの羽に着想を得て空気抵抗を減らした「翼型パンタグラフ」の搭載など、当時の最新技術を採用した。スピードとスマートさを兼ね備えた近未来的な形状は、鉄道ファンらに人気を博してきた。
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