交通新聞社 電子版

特集 JR西日本グループ 新駅ビル「イノゲート大阪」大阪駅周辺にさらなるにぎわい

2024.08.13
㊤シェアラウンジ内部の様㊥透過型のディスプレーを搭載した横幅約7㍍の総合案内サイネージ「うめきたスコープ」㊦「こうのとり」など、JR西日本の列車名にちなんだ名前を付した、「コンパスオフィス」内の会議室

 自由で前向きなマインドの入り口に

 JR西日本と同社グループの大阪ターミナルビル、JR西日本大阪開発は7月31日、大阪駅西地区の新駅ビル「イノゲート大阪」を開業した。併せて、同地区では同社グループも参画する同駅西地区の複合ビル「JPタワー大阪」内の商業施設「KITTE大阪」と、新ホテル「THE OSAKA STATION HOTEL,Autograph Collection」も同日開業。JR大阪駅の新たな玄関口として、同駅周辺のさらなるにぎわい創出に寄与することが期待される。(福原 潤記者)

  

 新たな玄関口として期待

 アート計画を展開

 イノゲート大阪は、地上23階・地下1階建て、建築面積3716平方㍍、延べ床面積約6万440平方㍍。同日オープンしたのは、飲食ゾーン「バルチカ03」(2~5階)、オフィスロビー「TSUTAYA BOOKSTORE」(6階、ラウンジ・カフェ・物販)、フレキシブルオフィス「コンパスオフィス」(9、10階)。11~22 階のオフィスフロアなどは今秋以降に開業し、全体開業を迎える。

 同ビルの名称は「Innovate(革新する)」と「gate(ゲート)」を組み合わせたもの。「新しいものに挑んでいく、新しいビジネスを生み出していく、自由で前向きなマインドを歓迎する入り口になりたい」との思いが込められている。

 同地区を起点とするアートプロジェクト「WARP(WEST ART PROJECT)」として、同ビル1階には人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの作者、荒木飛呂彦氏のパブリックアート作品を設置。WARPには荒木氏をはじめ、アーティストのRena&Motoki、大倉龍司、Shunta Sakamoto、So So So、三重野龍の各氏が参加しており、計6点のアートや映像作品を同ビル2階や同駅西口改札前で展開している。

 

 飲食50店 「食い倒れの街」のスポットに

 飲食ゾーン「バルチカ03」はJR西日本SC開発が運営する大阪駅の商業施設「LUCUA osaka」地下2階のバルゾーン「バルチカ」の派生ブランド。大阪の老舗や路地裏の名店、海外の有名レストランに至るまでバラエティーに富んだ全50店舗をラインアップ。「食い倒れの街・大阪」において、新たなホットスポットとなる。

「03」は、親しみを持って呼称される「おっさん」の意味も併せ持つ。「おっさん」をはじめとする梅田で働く全オフィスワーカーに向けて、明日への活力を生み出し、大阪のまちをも元気にできる施設を目指す。

 2階には、クイックに利用できる店舗として、東京・新宿の「おにぎりまんま」が関西初出店し、発酵食品を具に使用したおにぎりを提供する「発酵まんま」と、東京・恵比寿のスペシャルティコーヒー専門店「猿田彦珈琲」の2店舗が出店。3階では、幅広いニーズやシーンに対応できるよう、朝から夜まで多様なメニューを提供す るオールデイダイニング「BLUE YARD(ブルーヤード)」や、厳選した国産合鴨を水のみで丸2日間、弱火でじっくり炊いたスープが特徴のラーメン店「らぁ麺 鴨と葱」など5店舗が並ぶ。BLUE YARDでは、不定期で開催予定のライブやDJイベントと共に、ロースターで焼き上げるローストチキンを中心としたモダンアメリカン料理や焼き菓子などを楽しめる。

 4階は大阪で人気の老舗や路地裏の名店20店舗が集う。大阪・天王寺の本格和食居酒屋「こんび」が、人気のだし巻き玉子に特化した梅田初出店の「和心 だし巻き家こんび」や、魚屋仕入れで旬の海鮮がスタンド価格で食べられ、手ごろな昼メニューも提供する「スタンドふじ」など、何度利用しても飽きないバリエーション豊かにかつ、毎日でも利用できるリーズナブルな価格帯の店舗もラインアップ。梅田で働くオフィスワーカーのランチニーズに対応している。

 バルチカ03の最上階の5階は、梅田で働く30代後半から50代の男性をメインターゲットに、「味わい深い名店」が集積。古き良き昭和の時代をほうふつさせる横丁を模した店舗や、かっぽう、焼き肉店など全23店舗から成る。京橋駅前の老舗立ち飲み店「立呑み 串かつ まつい」や、大阪・大正の人気居酒屋「乃ノ家」など、ノスタルジックな雰囲気を楽しめる。

 

 23階建て 上層階はオフィス/秋以降に全体開業

 一方、オフィスフロアへの玄関口として、来館者を迎える6階オフィスロビーでまず目にするのが、透過型のディスプレーを搭載した横幅約7㍍の総合案内サイネージ「うめきたスコープ」。JR大阪駅北側の「うめきた2期地区」の未来をのぞくスコープとして、館内案内や季節、時間に合わせた映像を投影する。足元は床面プロジェクションにより、同スコープのロゴやディスプレーと連動した演出映像を映し出し、空間価値の向上を図っている。

 同じく6階には、シェアラウンジ、カフェ、書籍・文具・雑貨から成る「TSUTAYA BOOKSTORE」を併設。シェアラウンジからは、来春ごろの全面開業に向けて工事が進む「大阪駅(うめきたエリア)」地上部の商業施設「うめきたグリーンプレイス」や隣接するうめきた公園などを望むことができ、ひらめきや創造性が刺激される空間が広がる。

 9、10階はフレキシブルオフィス「コンパスオフィス」が入居。個室レンタルオフィスや貸会議室を備えたワーキングスペースで、各会議室には「サンダーバード」や「こうのとり」など、JR西日本の在来線特急にちなんだ名称が付けられている。

 

 ■舟本 恵

 JR西日本SC開発カンパニー統括本部部長

 生活しやすく、訪れたいまちに

 梅田地区は、非日常の価値を提供することで、土曜、日曜日を中心に遊びに来られる来街者が非常に多くいらっしゃいます。

 しかしながら、特に梅田地区で日常を過ごしている男性会社員の方にとっては、1000円以下でランチを楽しめる店が、この西梅田エリアに少ないという、ペインポイント(困りごと)が存在していました。主に男性会社員をメインターゲットに、日常使いできるような、お昼あるいは夜の飲みの場をご提供したいと考え、バルチカ03をオープンしました。

 個人経営の店やチェーン店を問わず、男性会社員の好みや認知度、ニッチな専門性といった観点を満たした店舗さまにご出店いただきました。

 一方で各フロアによってコンセプトを変えています。3階は、梅田で働く女性や来街者の方に広く使っていただくために、女性が入店しやすいお店も誘致しました。

 梅田地区は、日々働かれている方、来街される方、居住されている方とさまざまな方々がいらっしゃいます。皆さまがより生活しやすいまち、あるいはさらに訪れたくなるまちになっていく、その一端を担わせていただければと考えています。

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