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日本鉄道車両機械技術協会 「23年度全国『車両と機械』研究発表会」

2024.02.27
2日間で30件の事例が紹介された23年度全国『車両と機械』研究発表会」

 日本鉄道車両機械技術協会は15、16日の2日間、東京都港区の機械振興会館で「2023年度全国『車両と機械』研究発表会」(国土交通省、交通新聞社後援)を開催した。

 研究発表会は、JRグループはじめとする鉄道事業者、鉄道関連企業の現場第一線社員が日常業務の中で取り組む技術の近代化や効率化、安全性向上などに関する研究成果を広く紹介するもので、情報共有化に伴う技術の水平展開、人材育成などにつなげていく。

 23年度の応募件数は83件で、事前審査を経た「安全・故障防止対策部門」10件、「技術開発・サービス向上部門」12件、「作業改善・提案部門」8件が臨んだ。審査は国土交通省、鉄道総研、日本鉄道車輌工業会、東京大学、JRグループ各社などの関係者が当たり、国土交通省鉄道局長賞、日本鉄道車両機械技術協会会長賞(2編)、交通新聞社賞、優秀賞、優良賞、特別賞、奨励賞を選んだ。

 審査結果と国土交通省鉄道局長賞、日本鉄道車両機械技術協会会長賞、交通新聞社賞の論文概要は以下の通り(敬称略。所属組織名は論文発表時)。

 

 【安全・故障防止対策部門】

 ◇日本鉄道車両機械技術協会会長賞

 「E353系車両モニタリングデータによる動揺防止制御装置 アクチュエータゴムブッシュ亀裂の検知(JR東日本首都圏本部松本車両センター・金箱彰、百瀬浩樹、今村和之)

 ◇交通新聞社賞

 「可動柵トルク値の状態監視による異常判定」(JR東海新幹線鉄道事業本部施設部・曽我文彦、廣田江太郎、隈部秀)

 ◇優秀賞

 「新幹線の乗務員室小窓閉じ不良に関する研究」(JR東海新幹線鉄道事業本部浜松工場・羽根健悟、鈴木涼亮、吉冨海都、吉井侑矢)

 ◇優良賞

 「E233系戸閉装置におけるスクリュー軸の機器更新後のメンテナンスについて」(JR東日本首都圏本部東京総合車両センター・鈴木健太、柳瀬慶弘、藤川恭平、中村祐介)

 「C11―171号機ピストンリング折損事象の対策について」(JR北海道苗穂工場・今井源信、小野正美、札幌交通機械製品企画部・小谷喜代志、中村淳二)

 ◇奨励賞

 「ホームドア支障物センサ降雨による『汚れ付着警報』誤検知対策」(JR東日本メカトロニクス横浜支店・橘謙太、髙橋瑞穂、百田裕貴、菊池彩寧)

 「これまでの役割分担を超えた新たな『安全』の追及 E5系E6系の新たな全般検査体系の確立に向けた研究」(JR東日本新幹線統括本部新幹線総合車両センター・佐々木俊行、佐藤政昭、植松隼人、吉田京平)

 「HC85系の車両データを活用した空調装置の不具合予兆検知手法の確立」(JR東海東海鉄道事業本部名古屋車両区・細川高廣、徳光諒太、北野裕規、山本一輝)

 「車輪踏面形状と車両動揺の評価基準の検討について」(JR西日本近畿統括本部網干総合車両所・稲永涼、谷澤恵司、デジタルソリューション本部・長坂泰光)

 「700系7000番代(E編成)電動空気圧縮機の潤滑油乳化対策」(JR西日本山陽新幹線統括本部博多総合車両所・松井健、天神敬太、鶴成和也)

 【技術開発・サービス向上部門】

 ◇国土交通省鉄道局長賞

 「パンタグラフ点検周期適正化に関する研究」(JR東海新幹線鉄道事業本部東京仕業検査車両所・根本悠、木村瑞樹、田上裕明、樋口倫平)

 ◇優秀賞

 「マルチフルスクリーンホームドアの実用化に向けたシステム開発―世界初方式ホームドアの実用化に向けた挑戦と取組―」(JR西日本施設部・四家井祐一、河合陽平、橋本明信、JR西日本テクシア・妹尾潤)

 ◇優良賞

 「ホームドア330駅整備に向けた軌陸車によるホームドア搬入の実現」(JR東日本横浜支社横浜機械設備技術センター・長塚政志、牧野道成)

 「片軸操舵台車とPG速度センサを用いた行路長測定技術の確立」(東京地下鉄鉄道本部車両部・今堀修、遠藤隆弘、安ノ井直明、中野車両管理所・髙島陽介)

 ◇特別賞

 「カメレオンコードを活用した工具管理システムの開発」(総合車両製作所生産本部生産管理部・中村誠、小美野剛、フリック・山崎弘孝)

 「パンタスリ板整備ロボット『PANDHR(パンダ)』の開発(JR九州エンジニアリング福岡製作所・山本将也、新幹線熊本車両事業所・宮本佑哉、興梠友太、車両事業本部新幹線事業部・千代森充)

 ◇奨励賞

 「検査支援装置の活用による交番検査作業の信頼性向上に関する研究」(JR東海新幹線鉄道事業本部東京交番検査車両所・町頭亮、山本達也、樋口成史、伊藤理央)

 「車体洗浄効果の検証と最適な車体洗浄計画の提案」(JR東日本新幹線統括本部東京新幹線車両センター・細澤明好、亀山陽平、前田卓也、角田稔)

 「アジャイル開発手法を活用した車両データ分析共通基盤の開発」(JR東日本JR東日本研究開発センター・堀恵治、木原弘貴)

 「可動柵状態監視業務の効率化に関する研究」(JR東海東海鉄道事業本部施設部・池野昂平、中川真司、長瀬智保、布田真也)

 「BCコック復位失念防止ハード対策」(JR西日本近畿統括本部吹田総合車両所福知山支所・今福亮太、澤田一隆、清瀬悟)

 「バス事業者向け簡易IC車載機の開発」(JR西日本テクシアICシステム本部・塩濱和豊、栗山宙之)

 【作業改善・提案部門】

 ◇日本鉄道車両機械技術協会会長賞

 「オイルダンパ検修における不具合原因の特定および作業効率化」(東海交通機械車両事業部名古屋事業所・伊藤凛、石黒将也、千々和直哉、野村亮太)

 ◇優秀賞

 「長期使用台車における現状確認と新たな検査手法に関する研究」(阪急電鉄都市交通事業本部技術部・松本堅、上野友、審俊志、則永健太)

 ◇優良賞

 「自動改札機磁気ヘッド隙間検知機能の開発」(JR東日本メカトロニクスシンクライアントシステム開発本部・走川司、田頭葵)

 「車体検修スポット業務量に応じた最適な要員操配に関する研究」(JR東日本テクノロジー郡山支店・石川和也、熊田亘、影山大樹、髙橋和也)

 「遠隔制御技術を用いたカメラシステムの構築と運用」(JR北海道函館新幹線総合車両所・阿部太樹、玉田敬典、岩平乃需、川村健二)

 ◇奨励賞

 「新幹線消雪基地給油数量乖離是正システムの開発」(JR東日本メカトロニクス新潟支店・五十嵐国博、菅原学)

 「運用計画作成支援ツールを用いた運用管理のリスク低減と定例業務の省力化」(JR東海東海鉄道事業本部神領車両区・石川達也)

 「画像解析によるボルト締結状態の判断可否の検討」(JR東日本新幹線統括本部新潟新幹線車両センター・増田圭亮、角田卓哉)

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