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JR西日本 兵庫DC 宿泊者数コロナ禍前上回る

2023.12.27
山陰線城崎―餘部間で運転し、好評を博した「うみやまむすび」(ひょうご観光本部提供)

 専用旅行商品の利用者倍増

 兵庫デスティネーションキャンペーン推進協議会とJR西日本は21日、JRグループ旅客6社と同推進協議会がタイアップして7月1日~9月30日に開催した「兵庫デスティネーションキャンペーン」(兵庫DC)の実績を発表した。地域資源の掘り起こしや磨き上げに注力し、旅にいざなうさまざまな企画を展開した結果、期間中の県内延べ宿泊者数は2019年比102%とコロナ禍前を上回り、経済波及効果は兵庫県立大学地域経済指標研究会の試算で314億円となった。兵庫DC専用旅行商品(JR利用旅行商品)利用者は前年比2倍に増加した。

 兵庫DCでは、「兵庫テロワール旅コンテンツ」66件の造成や、「(ICOCAでGO)神戸・姫路デジタルパス」の発売、県にゆかりのある企業とコラボレーションした商品開発、観光列車の運転、「食」のプロモーション事業などの施策に取り組み、旅行需要の喚起を図った。

 期間中の県内延べ宿泊者数は、前年同期比119%、コロナ禍前の19年比で102%の403万2000人。DC専用旅行商品利用者(JR西日本管内発、個人型・団体型を含む)は前年比208%。同旅行商品内で紹介された観光コンテンツは前年比220%の延べ253件(個人型)を数えた。

 世界遺産の国宝・姫路城夏の特別公開など、「兵庫テロワール旅コンテンツ」の利用者は合計17万3000人。観光列車のうち、「うみやまむすび」(計18回運転)に乗車するツアーには約600人が参加した。

 主要観光施設の入場券と各交通機関、JR線自由周遊区間(県南部)をセットした「(ICOCAでGO)神戸・姫路デジタルパス」は3566人が利用。県内JR線の自由周遊区間乗り放題、神戸市営地下鉄往復乗車券、県北部の夢但馬周遊バス「たじまわる」などをセットした「ひょうご☆乗り放題パス」は2418人が利用した。

 神戸市交通局、神戸電鉄、山陽電気鉄道、JR西日本による連携企画「車両所公開ツアー」(日本旅行発売)は、鉄道ファンや家族連れら633人が参加。JR西日本ホテルズの9ホテルが開催した「兵庫DC開催記念 兵庫グルメフェア」は、スイーツフェアで2398食、2カ所のホテルでのレストランフェアで1万3596食を販売した(店内利用・テイクアウトを含む)。

 期間中、ひょうご観光本部のサイト「HYOGO!ナビ」にアクセスしたユーザー数は、情報の継続的な更新に加え、首都圏などをターゲットにした戦略的な広告配信を行ったことで、前年比134%の112万2529人となった。

 両者では「『食』『体験』をテーマに実施した兵庫DCならではの多彩な取り組みを、24年同時期のアフターDC、さらに25年大阪・関西万博、ひょうごフィールドパビリオンの取り組みへと引き継ぎ、さらなる県の観光の発展と成長につなげていく」としている。

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