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JR九州 「油山市民の森等リニューアル事業」優先交渉権者に

2022.04.06
㊤グランピング施設から望む福岡市街の夜景イメージ(JR九州提供)㊦会見に出席した青柳会長(左)と髙島市長

 複合体験型アウトドア事業 JR九州が初参入

 JR九州は4日、福岡市が公募した「油山市民の森等リニューアル事業」で、同社を代表企業に9社で構成する企業グループが優先交渉権者に選定されたと発表した。今月スタートした「グループ中期経営計画2022―2024」の重点戦略に掲げる「豊かなまちづくりモデルの創造」の一環で、複合体験型アウトドア事業への初参入となる。

 事業の対象は、同市南区の油山中腹に隣接する「油山市民の森」と「油山牧場」(もーもーらんど)。油山市民の森は広さ約93㌶にキャンプ場やアスレチック施設、展望台などを備え、油山牧場は約47㌶に育成牛舎や放牧地がある観光牧場で、動物とのふれあい体験などが楽しめる。

 市民の森が開園から50年を超えるなど施設の老朽化や来園者の減少が課題となり、同市は両施設の一体的なリニューアルと管理運営を目的に昨年11~12月に事業者公募を実施。同市が推進する森づくり施策「福岡グリーンネクスト」のリーディングプロジェクトに位置付けられている。

 今回の提案概要では、事業ビジョン「人と都市と自然の共生」の下、「暮らす」「遊ぶ」「働く」「学ぶ」「整う」の五つのキーワードに沿って各種取り組みを実施。既存の建物にカフェやショップ、シェアオフィスなどの新たな機能を付加するほか、ミシュラン一つ星レストランが運営する農園併設レストランもオープンさせる。

 構成企業のアウトドア総合メーカー、スノーピークとの共同事業として、放牧地を活用してグランピングやオートキャンプ、ソロキャンプなど幅広いニーズに対応する111区画(約3万6000平方㍍)を整備。同様にフォレストアドベンチャーと共同で森林アスレチック施設(1万平方㍍)やマウンテンバイクトレイル(同)も新設する。

 このほか、貸農園での収穫体験と組み合わせたバーベキューなども楽しめるようにする。また、新たに「森づくり人づくり基金」を設立し、苗から育てる植樹などを通じて継続的な自然環境の保全にも取り組む。

 今後、6月に事業実施協定を締結し、7月以降に工事着手。23年度中のリニューアルオープンを目指す。

 この日、福岡市役所でJR九州の青柳俊彦会長、髙島宗一郎市長が共同会見を開き、青柳会長は「実績と志のある構成メンバー、福岡市、これまで長く油山を支えてこられた方々と共に、より魅力的な施設の実現を目指し、九州全体の未来につながる新たなまちづくりを油山から発信していきたい」と述べた。

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