JR九州 24年度グループ総合経営会議
JR九州の2024年度グループ総合経営会議が5日、北九州市のJR九州ステーションホテル小倉で、青柳俊彦会長、古宮洋二社長をはじめ役員、幹部、グループ会社の代表ら約220人が出席して開かれた。
初めに青柳会長が、本年度を「JR九州グループ中期経営計画2022―2024」の仕上げと次期中計を策定する重要な年として、「必ず本計画を達成するとともに、次なる中期経営計画はこれまでの成果を土台に、次のステップを着実に上っていくものになってほしい」と述べた。
その上で「当社グループが追求すべきはシナジーであり、グループ会社同士やM&Aにより、新たな事業や領域に参入できるようになる。それまでにない化学反応が起こる可能性を秘めており、大いにチャレンジしてもらいたい」と要請した。
続いて、古宮社長が24年度の事業方針について、「グループの未来をつくる『人、モノ、新技術』への投資を積極果敢に行うことが最大のポイント。新しい人事・賃金制度が始まり、新技術を活用して各事業が抱える課題の解決に力を入れていく」と強調。
このうち新技術の活用に関して、香椎線「GOA2・5自動運転」を例に挙げ、「全てを自動化するという発想ではなく、作業を分解して全体の7、8割が新技術を使って自動化できれば、残りが人の仕事となり、作業の効率化や必要な資格を軽くすることにつながる。皆さんも日頃の仕事を分解してみると、次の新たな姿が見えてくると思う」と語った。
事業方針の主な取り組みでは、重点戦略の「事業構造改革の完遂」に掲げる「未来鉄道プロジェクト」に言及。「新技術に投資しながら、収入を確保して経費を抑えていく。これにより、仮にまたコロナ禍のようなことがあっても、生き残っていけるJR九州グループになり、会社もさらに成長していける」と強調した。
一方、まちづくりに対しては「博多駅周辺は複数のビルが建て替え時期を迎え、当社グループとしては所有する施設を含めた区画一体を、他事業者と一緒に開発していくことが重要となる」、環境問題への取り組みでは「単に排出量を減らすだけでなく、ビジネスにつなげていくことが大切」とそれぞれ考えを示した。
最後に、インナーブランディングやDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を推進する「明るく楽しい会社づくりプロジェクト」について、「当社グループの存在意義やこれまで提供してきた多様な価値を改めて認識し、社員が自信を持って業務に取り組むとともに、社内外により多くのJR九州ファンをつくっていこう」と呼び掛けた。
質疑応答の後、ANAホールディングス上席執行役員の種家純氏による「ANAグループにおけるDEI推進」と題した講演が行われた。
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