JR九州エンジニアリング 福岡県古賀市に「福岡製作所」を開設
新たな主力製品づくりへ
JR九州エンジニアリングが福岡県古賀市で建設を進めていた「福岡製作所」が完成し、1日に現地で開業式典が開かれた。同社の技術開発やモノづくりの拠点として、これまで培ってきた車両と機械の技術の融合を図り、新たな主力製品づくりを目指す。
同製作所は、鉄道の車両や機械のメンテナンス分野から、製造業、建設業へ経営資源をシフトさせていく成長戦略の一環。県内3事業所に分散していた人材や技術力を集約し、昨年実施した建築用金物の製造販売を手掛けるメタルスター九州のM&Aと両輪を成す。
所在地は、JR鹿児島線古賀駅から車で約10分の同市糸ケ浦地区の青柳工業団地内。約5686平方㍍の敷地に事務所棟と工場棟を建設した。設計・施工をJR九州グループの九鉄工業、電気設備をJR九州電気システムが担った。
事務所棟は鉄骨造り3階建て、延べ床面積1448平方㍍で、1階は現業事務所、2階オフィスに本社機能の一部を移した。3階は研修会議室、クリーンルーム(電子機器プリント基板整備)、ロボットなどに関する研究開発室。
工場棟は鉄骨造り2階建て、延べ床面積約2705平方㍍。車両部品や保線機械部品の検修スペース、車両部品や車輪旋盤・転削盤の製作スペースで構成。主要機械設備は、レーザー加工機、折り曲げ機、パイプベンダー、天井クレーン2基など。
また、工場棟の屋根上1260平方㍍に太陽光発電システムを整備し、年間発電量23万3875㌔㍗時を見込む。事務所棟は省エネ設計に加えて消費エネルギーを全て太陽光発電でまかない、同グループ初の「ZEB」認定を取得した。
式典には、同社の小林宰社長、松本勝徳福岡製作所GM、来賓の福永嘉之JR九州取締役・常務執行役員・鉄道事業本部長、田辺一城古賀市長、設計・施工会社の代表らが出席。
小林社長は「コロナ禍で社会が大きく変化した中で、製作所の新設はこれからを生き抜いていくための財産となる。人や知恵、技術の融合により新たな製品が生まれることを期待するとともに、モノづくりにとどまらず、当社の新しい文化づくりの拠点としたい」とあいさつ。
田辺市長が「鉄道を支える新たな拠点の誕生で、市民はより身近に鉄道を感じることができる」、福永本部長が「鉄道の設備やメンテナンスの在り方の見直しを進める中で、技術や装置の開発を担う新たな製作所の誕生は大きな意義がある」と祝辞を述べた。続いて関係者がテープカットを行い、製作所のオープンを祝った。
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