JR九州 クルーズトレイン「ななつ星in九州」が運行開始10周年
博多駅でセレモニー 海外からも高い評価
JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」(客車7両編成)が15日、運行開始から10周年を迎えた。「ななつ星」の優雅な鉄道の旅は、乗客にたくさんの感動を届けるとともに、訪問先の観光名所や旅の中で提供される逸品にスポットが当たることで、各地の観光振興にも寄与してきた。14日からの1泊2日「九州周遊コース」に合わせて、同日に博多駅でセレモニーと出発式が行われ、関係者らが節目を祝った。
2013年10月15日にデビューした「ななつ星」は、今年9月末までの10年間で、3泊4日と1泊2日のコースを計796便運行。延べ1万9072人(うち外国人2581人)が上質なサービスと地域の魅力を満喫した。
毎回多くの申し込み件数が寄せられ、客室数に対する10年間の平均倍率は14・2倍。デビュー1年後の第4期(14年8~11月分)の37倍がこれまで最も高く、7号車の展望窓付き「DXスイートA」は最高倍率が316倍(15年10月13日出発分)に上った。
海外からの評価も高く、世界の富裕層に影響力を持つ米国の旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」が実施した読者投票「リーダーズ・チョイス・アワード 2023」のトレイン部門では、ヨーロッパの「オリエント・エクスプレス」などを抑え、3年連続の第1位に選出された。
「ななつ星」は昨年10月に一部車両とコースをリニューアル。車両は、乗車定員を従来の最大14室30人から同10室20人に変更した。コースは、3泊4日の霧島コース、雲仙コース、1泊2日の九州周遊コースを運行している。旅行代金(2人1室、1人当たり)は、霧島コースが125万~170万円、雲仙コース115万~160万円、九州周遊コース65万~90万円。
博多駅3階在来線改札内で開かれたセレモニーには、同社の唐池恒二相談役、松尾英典執行役員・鉄道事業本部クルーズトレイン本部長・運輸部長、鐘ケ江理恵駅長、車両をデザインした水戸岡鋭治ドーンデザイン研究所代表と乗客9組15人が出席。
あいさつに立った唐池相談役は「本日、『ななつ星』が3年連続で世界一になったことを報告できることがとてもうれしい。しかし、私たち関係者はまだ世界一だとは思っておらず、きょう乗車されるお客さまから『世界一でいいよ』と言われる旅をつくっていきたい」と述べた。
続いて、8~9月に九州各地の23駅で実施した一般参加型イベント「出発の鐘リレー」の動画が放映され、乗客代表の音頭で乾杯した後、乗客は6番線ホームに移動し、列車に乗り込んだ。9時50分に鐘ケ江駅長の出発合図で列車が動き出すと、関係者や一般参加者が手を振ったり、鐘を鳴らして見送った。
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