JR九州高速船 「クイーンビートル」就航1年目9万5000人が利用
日本人乗船客、夏以降に急増 コロナ禍からの回復 鮮明
JR九州高速船は、福岡―韓国・釜山間で運航する大型高速客船「QUEEN BEETLE(クイーンビートル)」について、昨年11月就航から1年間の利用状況をまとめた。乗船客数は約9万5000人で、営業定員468席に対する平均乗船率は約50%で推移した。コロナ禍からの回復に伴い、夏以降の日本人乗船客は急激に増加しており、同社では団体客の獲得などにも力を入れる方針。
クイーンビートルは全長83・5㍍の三胴船(トリマラン)で、最高速度約36・5㌩(時速約67・5㌔)。福岡―釜山間を約3時間40分で結ぶ。3層デッキの船内は、1階にスタンダード席、2階にビジネス席を設け、ゆったりと船旅を楽しめるよう、売店やラウンジ、展望デッキなどを備える。
昨年11月4日から博多港発9時、釜山港発15時のダイヤで運航を開始。昨年末から毎日1往復する本格的な運航体制に入った。韓国の旧正月に合わせて今年1月10日~3月2日は、午前便を釜山港発、午後便を博多港発に変更し、韓国からの利便を図った。
利用状況をみると、前半(11~4月)の乗船客数は約2万4000人にとどまった一方、新型コロナウイルスの5類移行による社会経済活動の正常化を背景に、後半(5~10月)は約7万1000人と3倍に増えた。
利用客の国籍比率では、年間全体で日本人が50%(同航路のコロナ禍前48%)を占め、韓国人30%(48%)、その他20%(5%)。コロナ禍前と比べ、日本人はほぼ変化ないが、韓国人が減少した一方、その他が大きくアップし、欧米系外国人の利用増が目立つという。
平均乗船率の内訳は、平日45%(1便当たり約200人)、週末65%(同約300人)。韓国の旧正月期間など繁忙期は90%(同約400人)に上った。
同社の田中渉社長は「春ごろまで日本人のお客さまの利用が伸び悩んだが、夏休みや10月以降は急激に増加している。今後もさまざまなシーンが楽しめる船旅の良さをPRするとともに、修学旅行など団体需要の獲得にも力を入れたい」と話す。
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