「JR肥薩線検討会議」第5回会議 熊本県が復旧方針を提示
33年度の復旧めざす
2020年7月豪雨災害で一部不通が続くJR肥薩線について、国土交通省と熊本県、JR九州で話し合う「JR肥薩線検討会議」の第5回会議が13日、熊本市の同県庁で開かれた。同県から33年度に同線八代―人吉間の復旧を目指す方針が示された。
同県の方針内容によると、災害復旧費について、JR九州が示した概算復旧費235億円は、国の災害復旧事業を活用する事業間連携により76億円に圧縮。さらに鉄道軌道整備法に基づく災害復旧補助制度の適用による地元負担分(3分の1)25億3000万円は全額を県が負担する。
復旧後のランニングコストに関しては、上下分離方式を前提にした第三種鉄道事業に要する経費を年間7億4000万円と試算。復旧費と復旧後10年間の運行コストにかかる総額約100億円に対し、県の最大限の支援により、市町村の実質負担額を約5億円に抑えるとしている。
一方、県は復興方針案として、新たな観光列車の導入やイベント企画、沿線整備、旅行商品の造成など29の事業施策を提示。これらを踏まえ、復旧により年間119億円の経済波及効果が見込めると試算している。
会議後、JR九州では「提案を重く受け止め、次回以降にJRとしての方針を示したい」とコメントしている。
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