JR九州グループ 高級温泉宿「嬉野 八十八」10月1日開業
ぜいたくなプライベートスパ エリアのさらなる活性化期待
日本三大美肌の湯の一つとされる佐賀県嬉野市の嬉野温泉エリアに、JR九州ホテルマネジメントが運営する高級温泉宿「嬉野 八十八(やどや)」が10月1日に開業する。JR九州グループで3施設目となる温泉宿で、源泉100%かけ流しの「温泉」と嬉野特産の「お茶」にこだわり、嬉野を中心に西九州(佐賀・長崎)エリアの地元食材を使った料理が特徴。昨年9月の西九州新幹線開業でにぎわいが戻りつつある同エリアのさらなる活性化が期待される。
「嬉野 八十八」は、JR九州が旧宿泊施設「神泉閣」跡地を取得し、9565平方㍍の敷地に4階建ての建物を建設。施設名称は茶葉が最もおいしくなる八十八夜に由来し、「うれし、うるわし、茶とかけ流しの湯宿」をコンセプトとする。西九州新幹線嬉野温泉駅から車で約7分。
2カ所の源泉
客室は、母屋棟24室と離れ棟12室の計36室。敷地内2カ所の源泉から湧き出る毎分約700㍑の湯により、全室に源泉100%かけ流しの温泉風呂を実現。1階にある露天風呂の大浴場には、男女それぞれに茶アロマのロウリュウサウナとドライサウナを備える。
客室タイプは、母屋棟がジュニアデラックス14室(広さ約45平方㍍、定員3人)、コンフォートデラックス10室(約70平方㍍、4人)、離れ棟がプレミアムスイート8室(約80平方㍍、4人)でうち2室はペット犬同伴可、ラグジュアリースイート4室(約100平方㍍、4人)。
最上級のラグジュアリースイートは、広々とした空間にソファセットとダブルサイズ並みのツインベッドが置かれ、専用の庭を眺めるためのシングルソファ2台も。半露天の風呂はサウナと水風呂付きのぜいたくなプライベートスパが楽しめる。
こだわりの茶
お茶へのこだわりとして、ティーセレモニールーム「嬉野茶会 十徳」で宿泊者に嬉野茶農家の専属茶師による「うれしの茶」のサービスを提供。館内各所にお茶を味わえる給茶スポットがあり、客室に置く「Myタンブラー」に入れて周辺散策などに持ち歩くことができる。
厳選旬の食材
料理は、嬉野から半径88㌔エリア内で料理長が厳選した旬の食材を使い、夕食は温泉宿では珍しい一部メニューが選択できるプリフィックススタイルを採用。館内にはお茶のカクテルが味わえるバー「茶壷」などもあり、ラグジュアリースイート利用はオールインクルーシブで存分にうれしの茶の魅力を体感できる。宿泊料金は1室2人利用(夕・朝食付き)で1人4万~12万円程度。
また、地域との共存共栄を目指し、客室内の専用茶器や湯飲みは嬉野市の肥前吉田焼「224porcelain」製、インバスアメニティーにはRetocos(佐賀県唐津市)のオーガニック原料製品を使用している。
このほか、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みとして、全室のベッドに生分解性素材の「エアウィーヴマットレス」を採用。今後、温泉の熱を活用したバイナリー発電のほか、エビの養殖事業も計画している。
◇
JR九州は、施設のオープンに先駆けて、25日に現地で開業式典を開催。古宮洋二社長、森亨弘取締役・専務執行役員・事業開発本部長、浜田真知子JR九州ホテルマネジメント社長(JR九州執行役員)、来賓の南里隆佐賀県副知事、村上大祐嬉野市長、施設の企画・デザイン、施工会社の代表らが出席した。
古宮社長は「当社グループでは西九州新幹線を軸に、沿線の佐賀、長崎を元気にするための取り組みを行っており、嬉野地区では『嬉野 八十八』が中心となる。新幹線効果が本州方面にも広がり、より多くの方が施設を利用され、嬉野のまちの元気につながることを願う」とあいさつ。
続いて、村上市長が「新幹線は地域にさまざまなインパクトをもたらしている。嬉野の極上のお茶、日本三大美肌の湯、それを彩る地域資源を生かしたサービスを提供していただけることに感謝申し上げる」と述べた。この後、古宮社長をはじめ関係者が、お茶色の風呂敷の結び目をほどく「サスティナブルテープカット」を行い、施設の開業を祝った。
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