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連載 北陸新幹線金沢-敦賀間 工夫凝らした建設工事 鉄道・運輸機構 ⑤架道橋

2024.02.28
1夜間で北陸自動車道の上空へ桁を架けた武生架道橋の架設工事(鉄道建設・運輸施設整備支援機構提供)

 迅速施工や難条件克服

 加賀細坪橋りょう PC工学会から作品賞

 「加賀細坪橋りょう」(加賀温泉―芦原温泉間、長さ約339㍍)は、JR北陸線大聖寺駅の南側に位置し、国道8号線の上空を横断する。狭い谷を盛土でまたぐ国道のさらに上を越えるため、支間(橋脚の間隔)を長く確保する必要があり、中央の径間長が整備新幹線の橋りょうで最長となる155㍍のプレストレストコンクリート(PC)エクストラドーズド箱桁橋を採用した。

 横断箇所の国道8号線は軟弱地盤上の盛土構造で、国道の盛土内に橋脚を配置した場合は、地震の際に橋脚の変化が盛土に影響を与える可能性があり、橋脚や基礎を盛土内に置かないスパンの構造計画としている。

 同橋りょうは、支承や斜材保護管、斜材張力の構造、斜材定着部における積雪対策、施工上必要な移動作業車の解体など優れた特色を有することから、PC技術の発展に貢献したと認められ、「令和3年度PC工学会作品賞」を受賞した。

 また、北陸自動車道と長い距離で交差する「武生架道橋」(福井―越前たけふ間、約335㍍)や、同自動車道の武生インターチェンジ(IC)と交わる「第3庄架道橋」(同、約141㍍)の架設時は、下部を走る高速道路を通行止めにして行ったが、この影響を最小限にするための迅速な施工が求められた。

 武生架道橋では、北陸道の今庄IC~福井IC間(上下線)を夜間通行止めにして行われ、橋りょうの支えとなる梁(はり)を1夜間で同自動車道の上空へ架けた。その後、橋桁の先端に仮設の手延べ桁を付け、3夜間で約256㍍を送り出して架設するという類を見ない規模で橋桁を架設した。

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