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年頭あいさつ 鉄道・運輸機構・藤田耕三理事長

2024.01.01
藤田耕三理事長

 新年あけましておめでとうございます。

 令和6年の年頭にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

 昨年、当機構は、設立20年の節目を迎えました。設立以来、多くの皆様に温かいご理解、ご支援をいただいてまいりました。この機会に改めて深く感謝申し上げます。21年目の新年を迎え、当機構の使命を再確認し、心新たに業務に邁進してまいります。

 令和6年の当機構業務につきましては、まず、鉄道建設業務では、北陸新幹線(金沢・敦賀間)が、3月16日にいよいよ開業を迎えます。昨年12月には完成検査が完了し、現在、訓練運転が実施されています。開業に向けて、最終段階の諸準備を着実に進めてまいります。北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)につきましては、全長の約7割が掘削済みとなったトンネルのほか、高架橋や橋りょうなどの工事も本格化してまいりました。予期せぬ自然条件への対応など様々な課題がありますが、国や地方公共団体をはじめとする関係者のご協力を頂きながら、工事の進捗に努めてまいります。また、昨年創設した「鉄道災害調査隊」の活動として、災害発生時の鉄道施設等の復旧支援を行ってまいります。さらに今年は、これまでの鉄道建設等を通じて当機構が培った経験・技術力を効果的に集約し、鉄道事業者など広く関係者のニーズに即して活用できるようにするため、鉄道技術のプラットフォームとしての役割を担う体制を構築してまいります。

 国際関係業務では、海外インフラ展開法に基づき、我が国の高速鉄道に係るインフラシステムの海外展開に向けて、我が国事業者と連携・協力の上、機構が果たし得る役割の実行に取り組んでまいります。

 鉄道助成業務では、整備新幹線や都市鉄道、地域鉄道の整備、鉄道技術の開発、安全・防災対策といった事業に対する補助等の支援を適正かつ効率的に実施し、交通インフラ・ネットワークの機能拡充・強化に取り組んでまいります。

 船舶共有建造業務では、CO2排出量の低減、船員の労働環境改善に資する船舶等の建造を促進し、国内海運が直面するカーボン・ニュートラルへの対応や船員確保等の課題への対処に貢献するとともに、離島航路の維持・活性化や観光立国推進等の観点から、国内旅客船の着実な整備を推進してまいります。

 地域公共交通出資等業務では、地域公共交通の活性化や再生、また物流の効率化に向けて、利用者の減少、カーボン・ニュートラルへの対応等の課題に直面する交通事業者や、生産性向上や環境負荷の低減への対応に迫られる物流事業者に対し、DX・GXを含めた取組みへの資金面での支援を行ってまいります。

 国鉄清算事業では、旧国鉄職員等の年金費用等の支払業務などを着実に実施するとともに、JR北海道、JR四国及びJR貨物に対する効果的な支援を通じて、各社の経営自立に向けた取組みを後押ししてまいります。

 現在、我が国の交通・運輸は、労働力不足の深刻化、カーボン・ニュートラルへの対応、自然災害の激甚化や運輸施設の老朽化など、多くの課題に直面しています。鉄道・運輸機構は、デジタル化をはじめとする技術革新の成果を取り入れつつ、これらの課題に対応し、明日を担う交通ネットワークづくりに貢献してまいります。

 末筆になりましたが、皆様の益々のご飛躍・ご発展を祈念いたしまして、新年の挨拶とさせていただきます。

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