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西鉄 福岡空港で大型自動運転バスの実証実験 雨天時の自動走行性能などを検証

2023.07.31
大型ディーゼル車を用いた自動運転(レベル2)の実証実験を行っている

 西日本鉄道は、福岡空港国内線ターミナルと国際線ターミナルを結ぶ専用道区間(約1・4㌔)を走る連絡バスで、大型ディーゼル車を用いた自動運転(レベル2)の実証実験を行っている。昨春に次ぐ第2弾で、前回未検証だった雨天時の自動走行や空港スタッフが乗車する営業運転に近い状態で検証する。

 同社は2020年10月に、北九州空港からJR日豊線朽網駅までの約10・5㌔で、GPS方式による中型自動運転バスの実証実験を実施。昨年からの福岡空港では走行エリアを考慮し、3Dマップ方式を採用している。

 車両はいすゞ自動車が自動運転システム搭載のバスを提供、西鉄が運行を担い、それぞれ技術面と運行面の知見を蓄積。第1弾では乗客を関係者に限り全員着席の状態で行い、走行状態、乗客アンケートともに良好な結果が得られた。

 第2弾では、新たに雨天時の自動走行と空港スタッフの輸送(立ち席を含む)を検証内容に追加。第1弾で乗務員や乗客から「やや不安」との声があった対向バスとのすれ違い時の速度について、自動で減速するシステム改良も施された。

 車両は上部の前後左右の各2カ所に搭載したセンサー「LiDAR」で周辺360度の道路構造物や車両を検知し、3Dマップに照らして自車位置を推定。3Dマップに設定した走行軌道に沿って自動走行する。

 今回は雨滴センサーを追加し、雨量を判定して自動運行の可否を判断。雨量が一定量になると車内モニターに警告が表示され、基準値を超えるとドライバーの手動運転に切り替わる。

 実証実験は8月10日まで実施。雨天時(豪雨時を除く)の安定性や、立ち席客でも安心して乗車できる自動走行性能を検証する。同社は今後も毎年1回ペースで実証運行を検討し、近い将来のレベル4(主任者が乗務)の社会実装を目指す。

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