交通新聞社 電子版

JR東日本 伊藤常務 国交省「ジェンダーと交通」セミナーに登壇

2024.07.30
伊藤敦子JR東日本常務・グループ経営戦略本部長が登壇(JR東日本提供)

 国土交通省による「ジェンダーと交通」をテーマにしたセミナーが25日、東京都内で開催された。交通企業の経営幹部として、伊藤敦子JR東日本常務・グループ経営戦略本部長が登壇し、同社グループの取り組みなどを紹介した。

 交通界では近年、女性と男性で交通機関の利用の仕方やニーズの違いがあることを踏まえ、交通政策の立案や交通サービスの提供に女性の視点を採り入れる「ジェンダー主流化」の推進が、国際的にも活発に議論されている。

 セミナーでは、こうした議論や海外の取り組みを紹介するとともに、日本の交通企業の幹部が参加して、女性の移動ニーズを採り入れた交通サービスの提供や、交通分野で働く従業員、管理職への女性参画の推進について、国内で進められている取り組みを共有。今後の課題と展望について議論した。

 斉藤鉄夫国土交通大臣の開会あいさつに続き、プレゼンテーションでは鳥取三津子日本航空社長、村瀨茂高WILLER代表取締役、伊藤本部長の3人が登壇した。

 伊藤本部長は、モビリティーでは女性専用車両の設定や鉄道設備・車両のバリアフリー化など、生活サービス面では社員提案から生まれたベビーカーレンタルサービス「ベビカル」など、JR東日本グループの取り組みを紹介。同社発足時に0・8%だった女性社員の比率は本年度19・2%となり、管理職比率を高めていくとともに、今後も仕事と育児の両立支援などに注力していくと説明した。

 続いてパネルディスカッションが行われ、田中由紀国土交通省国際統括官をモデレーターに、鳥取社長、村瀨代表取締役、伊藤本部長らが参加。伊藤本部長はジェンダーの視点の必要性などについて、「エキナカが使いやすいということは、女性だけでなくその家族にとっても使いやすい。女性のニーズを採り入れることは入り口かもしれないが、結果として利用者全てに使いやすい公共交通につながっていくのではないか」「女性の安心感とまちの発展を考えると技術の進化が必要。多様性のある組織は足腰が強い。実現した先には新しい公共交通サービスが出現する」などと述べた。

検索キーワード:JR東日本

3,626件見つかりました。

861〜880件を表示

<

>