西武 多摩川線でCBTC導入に向けた走行試験
西武鉄道は10日深夜(営業運転終了後)から、多摩川線(武蔵境―是政間、8・0㌔)で無線式列車制御(CBTC)システムの実車による走行試験を開始する。既存設備を活用して効率的に無線式列車制御システムを構築する「西武式CBTCシステム」の実証試験を行うもので、期間は来年1月までの予定。将来的に2030年代に全線での導入を目指す。
同システムは、無線通信で列車の位置と速度を常に把握し、列車間の安全な距離が確保できるように速度を制御する次世代の信号保安装置。省設備化とメンテナンスコスト低減のほか、自動運転や踏切鳴動時間最適化など技術革新の基盤としても期待されている。
西武式のシステムは既に同社の車両と相互直通乗り入れ車両に搭載されている列車情報装置(地上と車両間の無線通信により列車種別を認識して踏切の鳴動時間を適正化する装置)などの設備やネットワーク、地上設備の一部を活用。海外で実績のある日本信号(東京都千代田区)のCBTCシステム(SPARCS)を組み合わせ、効率的なシステムを実現した。
走行試験は、101系を使用して営業運転終了後に実施し、▽速度・距離算出▽列車検知機能▽列車制御機能▽踏切機能――などを検証。車上・地上装置による速度や列車位置情報の認識、先行列車の位置に応じた列車制御情報の更新、異常時の踏切手前でのブレーキ制御、列車速度に応じた踏切鳴動開始地点切り替えなどの機能が適切に作動するかどうかなどを確認していく。
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