交通新聞社 電子版

特集 近鉄グループ「あべのハルカス」10周年

2024.02.14
あべのハルカスの外観

 大阪屈指の観光スポット

 一年通じてさまざまな企画を展開

 3月7日に開業10周年を迎える近鉄グループの複合ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)。セールスポイントの一つが、高さが300㍍あり、展望台エリア「ハルカス300」から広大な景色を楽しめること。大阪屈指の観光スポットとして定着するとともに、一年を通じてさまざまな企画が展開されている同エリアを紹介する。(秋元 尚浩記者)

 あべのハルカスは、近鉄グループが総力を結集して建設した高層ビル。名称は「晴れ晴れとさせる」という意味の古語「晴るかす」から付けられた。グランドオープンしたのは2014年3月7日。全館累計来場者数は昨年3月上旬時点で約3億3669万人。

 ハルカス300は、同ビルの58~60階に位置する。気象条件が良ければ、大阪平野をはじめ、明石海峡大橋、淡路島、関西空港など、広大な景色を一望できる。

 施設面では、60階は足元から天井までガラス張りの屋内回廊「天上回廊」(一周175㍍)、58階は吹き抜けの構造で外気を肌で体感できる広場「天空庭園」とカフェダイニングバーのフロア。59階ではグッズショップが営業している。来場者数は昨年3月上旬時点で約1240万人。

 同エリアでは、さらなる魅力アップにつなげるため、さまざまな企画も展開されている。恒例イベントの一つには、成人の日に合わせて実施されている「ハルカスウォーク」がある。

 同ウォークに参加しているのは事前に応募した新成人の若者。それぞれ抱負を書いたタスキを掛けて地下1階の広場を出発し、ハルカス300まで1637段の階段を上る。ゴール後は、天空庭園で賞状の授与、屋上のヘリポートで記念撮影が行われる。

 このほか、冬に好評を博している企画として、天空庭園で暖かいこたつに入りながら絶景と鍋を楽しむ「かこむdeこたつ」、リアルな夜景とプロジェクションマッピングを融合させたマッピングショー「NAKED CITY LIGHT FANTASIA」などが挙げられる。

 「かこむdeこたつ」では今年、おでん、しゃぶしゃぶの両方を楽しめる「贅沢三昧! 極み・出汁しゃぶしゃぶコース」、カップル利用を念頭に置いた「ペアおでんコース」が新たに登場。「NAKED CITY LIGHT FANTASIA」では、昨年に引き続き「大阪・関西万博」をテーマとしながら、アーティスト・村松亮太郎氏による参加型アートプロジェクト「DANDELION PROJECT」の展示などを加えてアップデートを図っている。3月31日まで開催。

 また例年12月には、外壁ガラスの清掃作業員がサンタクロースやトナカイの衣装を着用する企画を実施、来場者が窓の外でゴンドラに乗った作業員と一緒に記念撮影をする姿も見られている。昨年からは2月の節分時期に合わせて赤鬼、青鬼にも扮(ふん)し、来場者の視線を集めている。

 地元・阿倍王子神社の神輿(みこし)の巡行も2018年、19年、コロナ禍の中断を挟んで昨年と計3回行われている。実施時期は6月。長らく中止となっていた同神輿巡行を復活させたいという声にあべのハルカスが協力し、始まったものという。

 ルートは、近畿日本鉄道大阪阿部野橋駅1階コンコース(あべのハルカス1階)をスタートし、あべのハルカス外周を掛け声を響かせながら練り歩く。次いで、エレベータ―でハルカス300に移動し、巡行。関西一円の厄払い、運気上昇を祈願する。

 あべのハルカスには、ハルカス300のほか、大阪マリオット都ホテル、複合商業施設・あべのハルカス近鉄本店、あべのハルカス美術館、オフィスフロアなどが入っている。

 芸術・文化の発信拠点で観光スポットの顔を持つ、あべのハルカス美術館は、「あらゆるアートを、あらゆる人に。」をコンセプトに、企画展を開催している施設。来場者数は昨年3月末時点で約319万人。現在は、51回目となる企画展「円空―旅して、彫って、祈って―」を開催中で、フロア内では江戸時代の修験僧・円空が彫った神仏を多数展示している。

 また、あべのハルカスでは「こころ、晴れる場所へ。」をキーワードに、開業10周年を記念した事業を展開、あべのハルカスをテーマとした思い出の写真とエピソードを投稿すると、プレゼントが当たるイベントなどを実施している。3月7日には地元の小学4年生(10歳)を招待し、ハルカス300で記念セレモニーも開く予定。

検索キーワード:近鉄

185件見つかりました。

101〜120件を表示

<

>