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東急電鉄など6者 廃石こう活用・資源循環で包括連携協定

2024.04.12

 東急電鉄と東急東急建設、東急リニューアル、日本土壌協会、土壌改良材開発などを手掛ける「土と野菜」(那覇市)の6者は、建築工事で発生する廃石こうの有効活用と新たな資源循環の仕組みづくりに向け、包括連携協定を締結した。

 石こうは内装用建材の石こうボードなどに使われている。東急電鉄と東急東急建設、東急リニューアルに発注する建築工事では、2022年度に約235㌧の廃石こうが発生。従来は産業廃棄物として処分していた。

 東急電鉄はドトールコーヒーなどと連携し、駒沢大学駅周辺で抽出後のコーヒー粉を液体肥料化して野菜栽培に使う取り組みを実施。液体肥料のため運搬しづらいなどの課題があったが、「土と野菜」の研究を基に精製した液体肥料と廃石こうを合わせたところ、農家への運搬や活用しやすい固形の土壌改良資材となることが判明した。

 石こうに含まれる硫酸カルシウムは、農作物の成長に欠かせない養分であり、水稲の収穫量減少の一因である硫黄欠乏の予防につながるなどの研究成果もある。

 連携・協力事項は、▽廃石こうを活用した土壌改良資材の精製▽土壌評価基準の見直し▽廃石こうを活用した土壌改良資材を農家に展開する資源循環の仕組みづくり――に関すること。固形の土壌改良資材を精製し、日本土壌協会の助言などを受け、「土と野菜」が連携する大阪府の稲作農家などに展開。石こう業界をけん引する吉野石膏、チヨダウーテの2社の技術サポートも受ける予定。

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