交通新聞社 電子版

墨滴 9月26日付

2023.09.26

 10月1日、品川駅が開業20周年を迎える。といっても東海道新幹線の話。在来線の品川駅は、約150年前の日本の鉄道開業時からの歴史を刻み、京浜急行電鉄の品川駅も前身から数えると約120年前に開業している▼そう考えると比較的〝若い〟駅でありながらも、新幹線にとっての重要な役割を担い、果たし続けてきた。駅開業のタイミングに合わせて、最高時速が全列車で270㌔になり、「のぞみ」中心ダイヤに変わった。ここからさらに「のぞみ」の運転本数を増やし、速度向上を果たすと、従来を上回るペースで利用が伸びた▼同駅の新設は、経済成長とともに新幹線の利用が伸びて、輸送力が限界に達しつつある中で、その増強策としての一大プロジェクトだった。それにとどまらず、街を変えたことも大きい。駅開業前を知る一人としては隔世の感がある▼東口に当たる港南口は、かつて臨海部の工場などで働く人たちの利用が中心で、西口の高輪口に立ち並ぶホテルや商業施設といったターミナルらしい駅前の雰囲気とは正反対だった。周辺で始まった再開発とともに、今や超高層ビルが林立するオフィス街へと変貌を遂げた▼この先は、リニア中央新幹線の始発駅となり、JR東日本や京急電鉄の駅改良を含む周辺開発、東京地下鉄(東京メトロ)南北線の延伸などが予定される。品川駅とその周辺は、まだその姿を変え続ける。

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