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指定席 JR西日本・八重樫卓真氏

2024.05.24
八重樫 卓真氏

JR西日本「バーチャル大阪駅」プロジェクトの責任者を務めるデジタルソリューション本部ビジネスデザイン部課長

八重樫卓真(やえがし・たくま)氏

 

 バーチャル大阪駅のこれまでの取り組みでは、リアルの駅の機能をバーチャル空間上に再現・拡張するとともに、多彩な仕掛けを施し、多くのユーザーを呼び込んできた。

 3月に開業した第3弾の「バーチャル大阪駅 3・0」では、次なるステップとして開業期間を通年とした上で、リアルの駅では実現困難な、駅をジャックしたプロモーションなどを可能とした。出展企業・団体を広く募ることで、ビジネスフィールドの構築につなげていくことを目指している。

 バーチャル大阪駅のポイントとして、まず「人が集まる空間ができていること」を挙げる。「バーチャルの世界はポテンシャルの部分から語られることが多いですが、リアルのようには見えないため、その実については分かりづらいところがあります。実際に多くのユーザーが訪れていることを数値で示せることは、出展しようと思ってもらう上で重要な要素です」。今回も開業から約2カ月で延べ〝来場者〟数は1000万人を大きく超えた。

 一方で、ユーザーがスマートフォンで入り、SNSなどを通じて情報発信できる空間であることも強調。「バーチャル大阪駅には、われわれが用意した仕掛けを楽しむだけでなく、自ら情報発信したり、自己表現できる能力を持った人たちも集まってきます。出展はそうした方々と同じ空間を共有することにもなり、例えば出展者が売りたいものをユーザーが〝勝手コンテンツ化〟して、外に発信、拡散してくれるようなことも期待できます」

 「狙っているのは、B(ビジネス)とC(消費者)のコラボレーション」。企業、ユーザーによる価値の共創空間として成長していくか注目される。

  (秋元 尚浩記者)

 略歴 2003年4月JR西日本入社。創造本部、日系総合商社海外現地法人出向などを経て21年6月から現職。岩手県出身。43歳。

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