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連載 北陸新幹線金沢-敦賀間 工夫凝らした建設工事 鉄道・運輸機構 ④九頭竜川橋りょう

2024.02.27
新幹線で初めて鉄道と道路の橋脚を併用させた「九頭竜川橋りょう」(鉄道建設・運輸施設整備支援機構提供)

 新幹線初、道路と橋脚併用

 コストや工期を縮減

 芦原温泉―福井間の「九頭竜川橋りょう」(全長414㍍、幅37・7㍍、福井市)は、全国の新幹線で初めて鉄道と道路の橋脚を併用させた橋りょうで、建設コストの縮減、工期の短縮に加え、河川環境への影響低減を図っている。

 7径間連続プレストレストコンクリート(PC)箱桁橋。建設工事は、橋脚を起点にして、やじろべえのように左右に桁を延ばしていく「張り出し架設工法」で進められた。

 中央部に新幹線の複線があり、その両側に片側2車線の新九頭竜橋(県道福井森田丸岡線)、さらに外側に歩道という一体化構造になっている。新幹線と車が往来する橋桁を6基の橋脚が支える。

 新幹線の延伸開業に先立ち、2022年10月に新九頭竜橋が開通。福井市内南北方向の交通の円滑化や広域幹線ネットワークの形成が図られた。

 また、この建設場所は国指定の天然記念物「アラレガコ」(カジカの仲間)の生息地に指定されており、河川環境に配慮した施工計画を立てるとともに、水質や動植物の定期的なモニタリングを行いながら整備を進めた。

 昨年11月、玩具メーカーのタカラトミー(東京都葛飾区)が同橋りょうをイメージした鉄道玩具「プラレール W7系北陸新幹線かがやき 鉄道道路併用橋セット」を発売。金沢―敦賀間延伸開業を記念した同社と福井県のコラボレーション企画で、新幹線と車が並走するシーンを一足早く〝再現〟できることから話題を集めている。

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