第一建設工業 小型突き固め機械を導入 JR東日本が開発
第一建設工業(新潟市)は、軌道メンテナンス作業用にJR東日本研究開発センターテクニカルセンターで開発されたドイツ・ローベル社製の小型突き固め機械(タンピング・コンパクト・マシーン=TCM)1台を日本で初めて導入する。従来の小型機械(四頭タイタンパー)と比較すると、人力で行っていた線路のこう上作業を機械化できるほか、省人化や作業効率の向上が期待できる。9月10日から同社の担当エリア内で本格的に稼働する予定。
JR東日本は2018年度から、「保線部門におけるメンテナンス体制の最適化2020」として、地方の認定線区でパートナー会社が主体となって検査から修繕計画、補修までを行っている。認定線区での線路の突き固めは、従来の大型機械(マルチプルタイタンパー=MTT)ではなく、四頭タイタンパーなど小型機械で施工しているが、第一建設工業では今後の作業環境を見据え、突き固め作業の機械化、軌道状態の維持を目的に、同センターが開発したTCMを導入することとした。
TCMは、列車走行に伴い発生する線路の凹凸を修繕する機械で、全長約5・4㍍、高さ約2・6㍍。線路凹部を機械でこう上し、バラストを突き固めることで線路の凹凸を修繕する。
MTTと比較して、踏切などを使用して自走による搬入・搬出が可能で、トラックへ積み込めば陸送でより広い施工エリア間を移動できる。同社が担当する磐越西線、五能線、大糸線、越後線で9月10日から、継ぎ目部のスポット補修を主体に本施工を実施する。
同社はこのほど、磐越西線津川駅構内の保守基地で安全祈願祭を実施した。田口正智執行役員・線路本部長、本卓也機械部長、小林伸一郎新潟支店新津事務所長、来賓としてJR東日本新潟支社の元好茂新潟保線設備技術センター所長、内藤俊介新潟保線技術センター所長らが出席。神事を行い、工事の無事を祈った。
田口本部長は「9月10日からの本格稼働に向け、ハード面の整備とともにオペレーターの教育を徹底し、機械を最大限活用していきたい。保線の機械化を進めることが作業員の減少に対応し、コストダウンにもつながると考えている」とあいさつした。
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