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「民鉄キャリアトレイン」78社に拡大 人材の相互受け入れへ

2024.01.15

 日本民営鉄道協会などは10日、勤務場所の都合で就労継続が困難になる社員を民鉄各社が相互に受け入れる「民鉄キャリアトレイン」のスキームを、これまでの大手民鉄だけでなく、中小民鉄などにも拡大すると発表した。参加会社は全国78社となる。会社の規模を問わず、業界内で人材・ノウハウの確保に取り組んでいく。

 同スキームは2018年、東急(東京急行電鉄)が旗振り役となり、大手民鉄間でスタートした。結婚や配偶者の転勤、介護などのライフイベントに伴い、他地域に転居するため就労継続が難しい社員について、参加各社間で受け入れを直接検討。鉄道事業や不動産事業、各地の生活に密着したサービス展開など、各社でノウハウを獲得した人材を民鉄ビジネスにおける「共通財産」ととらえ、相互に即戦力として活用する。

 社員側も、ライフイベントによらず、民鉄ビジネスのキャリアを継続できる。これまでは参加が大手民鉄のみだったため、異動元・異動先とも東京、大阪、名古屋、福岡とその周辺に限られていた。

 今回、民鉄協が各社間の仲介役を担う形で、大手民鉄16社を含む78社に拡大。参加会社は民鉄協または各地方の鉄道協会加盟会社で、キャリアトレインの連絡窓口を設置する。

 スキーム利用希望者がいる会社から連絡を受けた民鉄協が、希望先エリアの会社に人材情報を提供。対象は全職種で、受け入れの可否については受け入れ会社が判断し、転籍や出向など幅広い形態を考慮する。再転居などで元の所属会社への復帰を認めるケースもある。

 参加会社は次の通り。

 【北海道・東北】

 津軽鉄道▽仙台臨海鉄道▽秋田内陸縦貫鉄道▽由利高原鉄道▽山形鉄道▽阿武隈急行▽会津鉄道▽道南いさりび鉄道

 【北陸・信越】

 上田電鉄▽長野電鉄▽万葉線▽北越急行▽黒部峡谷鉄道▽のと鉄道

 【関東】

 上信電鉄▽秩父鉄道▽新京成電鉄▽銚子電気鉄道▽東武鉄道▽西武鉄道▽京成電鉄▽京王電鉄▽小田急電鉄▽東急電鉄▽京浜急行電鉄▽東京地下鉄▽相模鉄道▽富士山麓電気鉄道▽いすみ鉄道▽関東鉄道▽京葉臨海鉄道▽首都圏新都市鉄道▽千葉都市モノレール▽北総鉄道▽野岩鉄道▽横浜シーサイドライン

 【中部】

 伊豆急行▽伊豆箱根鉄道▽岳南電車▽豊橋鉄道▽名古屋鉄道▽えちぜん鉄道▽福井鉄道▽愛知環状鉄道▽愛知高速交通▽東海交通事業▽養老鉄道▽四日市あすなろう鉄道▽伊賀鉄道▽衣浦臨海鉄道

 【関西】

 京福電気鉄道▽叡山電鉄▽近畿日本鉄道▽南海電気鉄道▽京阪電気鉄道▽阪急電鉄▽阪神電気鉄道▽北大阪急行電鉄▽嵯峨野観光鉄道▽和歌山電鐵▽能勢電鉄▽信楽高原鐵道▽WILLER TRAINS▽六甲山観光▽神戸新交通

 【中国】

 広島電鉄▽一畑電車▽若桜鉄道▽智頭急行▽井原鉄道

 【四国】

 高松琴平電気鉄道▽伊予鉄道

 【九州】

 西日本鉄道▽長崎電気軌道▽熊本電気鉄道▽松浦鉄道▽くま川鉄道▽肥薩おれんじ鉄道

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