JR東海など 東海道新幹線荷物輸送サービス「東海道マッハ便」4月以降開始
JR他社サービスと協業へ
JR東海とジェイアール東海物流は15日、東海道新幹線を利用した法人向け即日荷物輸送サービス「東海道マッハ便」を開始すると発表した。現在、ジェイアール東海物流などが第2種貨物利用運送事業(鉄道貨物輸送)の許可申請を行っており、4月以降、準備でき次第始める。今後は、より広範囲に荷物を即日配送できるように、JR他社の荷物輸送サービスとの協業を進める方針。
同新幹線での貨客混載輸送は2020年10月に実証実験を開始。これまでに東京、名古屋、関西地区の野菜や菓子、弁当などを相互に運んだ。
新サービスは、同新幹線の安全、正確、高速、高頻度で揺れが小さいという特性を生かし、速達性に優れた高品質で環境負荷の小さい荷物輸送サービスとして提供する。
具体的には、同新幹線東京―名古屋間、同―新大阪間の「こだま」11号車にある業務用室を活用。3辺合計120㌢の段ボール箱を1回当たり最大40個相当まで輸送できる。荷物は医療関係品や精密機器部品、生鮮食品などを想定している。
利用はジェイアール東海物流と契約し、輸送日の約2週間前までに対象列車や荷物量、荷姿などを確定する。対象列車は1日最大の設定可能本数として、名古屋発と新大阪発の上り東京着が各12本、東京発下りの名古屋着が14本、新大阪着が10本。
サービス名称は、「こだま」が音に関係することに着想を得て、速さを想起させる言葉から、音速を表す「マッハ」を選んだ。荷物輸送サービスと親和性の高い「便」の字と組み合わせ、同新幹線を用いた速達性に優れるサービスであることを表現した。
今後は、JR各社との協業を進めて、山陽新幹線や東北新幹線など複数の新幹線にまたがった荷物輸送サービスを提供する。
JR東海の丹羽俊介社長は同日の定例会見(東京)で「大きな物は運べないので、想定している荷物は今回のサービスにマッチしていると思う。今後は営業活動を踏まえて、運べる荷物の種類も広がっていくのではないか。2024年問題の解決の一助として、少しでも貢献できればと思う」と述べた。
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