交通新聞社 電子版

墨滴 4月26日付

2024.04.26

 2026年春のデビューを目指す新観光列車の計画をJR北海道が発表した。運行体系やサービスなどいずれもが「全く新しい」列車を掲げ、車両は豪華版と上質版の2編成を製作。今までの「リゾート列車」を超す会社初のハイグレード車両という▼主な運転先は釧網、富良野線に、道内周遊列車としての活用も検討するそうだ。綿貫泰之社長は発表で「イメージだ」と念押ししたが、個室やラウンジ、茶室、展望室など色彩豊かに緻密に描かれたイラストからは、新たな鉄道旅への期待がおのずと膨らむ▼印象的なのはその編成名称だ。国内外でさまざまな意味が込められて用いられてきたシンプルなマークを端的に表現した。感じ方は人それぞれだが、道民からすれば非常に身近でなじみあるシンボルなのだ▼モチーフにした「開拓使」の象徴は、道都・札幌の時計台や旧道庁舎などに見られる。赤色の五稜星が表すのは北極星。これを着想として七光星を描く現・北海道旗では、赤は「道民の不屈のエネルギー」を示すと説明する。当然イデオロギーではない▼ここは意図せぬ連想を払拭するくらいに、徹底したブランディングをお願いしたい。左党が喜ぶサッポロラガー、阪神タイガースで活躍したJR出身の希代の名リードオフマンよろしく、「赤い星」編成が姉妹編成「青い星」と共に愛される観光列車で花咲くことを切に願う。

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