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沿線は復旧を喜ぶ声 千葉県の二つのローカル鉄道が復活

2024.01.15
いすみ鉄道の全線運転再開に合わせて行われたセレモニー。復旧工事を担当した東鉄工業などに古竹社長から感謝状が贈られた(いすみ鉄道提供)

 いすみ鉄道と小湊鐵道

 千葉県の二つのローカル鉄道が相次いで〝復活〟――。昨年9月の台風13号に伴う豪雨で被災し、長く不通となっていた第三セクター鉄道・いすみ鉄道の大多喜―上総中野間が12月25日から運転再開した。これに先立ち11月には、上総中野で同社と接続する小湊鐵道も被災区間を復旧させ、全線での運行を暫定的に再開。房総半島を横断する鉄路が被災前の状態に戻り、沿線は復旧を喜ぶ声であふれている。

 いすみ鉄道は、記録的な大雨の影響で道床流失や土手崩落などの被害が9カ所発生。9月8日始発から大原―上総中野間の全線で運転を見合わせ、13日に大原―大多喜間が再開したが、特に甚大な被害を受けた大多喜―上総中野間はバス代行で対応せざるを得なかった。

 復旧工事は順調に進み、試運転列車による安全確認の後、12月25日始発から3カ月半ぶりに全線開通。当日は、最も被害が大きかった西畑―上総中野間の被災現場で古竹孝一社長や東鉄工業はじめ工事関係者、自治体、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の代表らが出席し、復旧を祝うセレモニーが行われた。

 一方、小湊鐵道は土砂流入などの被害が13カ所で発生、9月8日から里見―上総中野間が不通となったが、16日から里見―月崎間が復旧。バス代行区間だった月崎―上総中野間は2カ月半ぶりの11月23日に再開した。初日は紅葉シーズン真っただ中の祝日だったこともあり、紅葉の名所最寄りの養老渓谷駅は多くの利用があった。

 ただ、再開後も恒久的な災害対策工事を進めていくことから、全線運行は観光需要が見込まれる週末などに限定し、平日は一部区間を運休してバス代行輸送を実施している。時期は未定だが、地元では早期の完全復旧を待ち望む声が多い。

 

 ■「気動車で巡る奥房総スタンプラリー」開催中

 いすみ鉄道、小湊鐵道とJR東日本千葉支社の3社は、房総半島を鉄道で横断するルートの全線運転再開に合わせて、デジタル形式の「気動車で巡る奥房総スタンプラリー」を開催中。3月17日まで。

 ジェイアール東日本企画(jeki)の駅スタンプアプリ「エキタグ」を活用。スタート対象駅の東京、品川、新宿、上野、新浦安、船橋、千葉のJR7駅と、ゴール対象駅のJR木更津、久留里、上総亀山、いすみ鉄道大原、国吉、大多喜、小湊鐵道五井、上総牛久、上総鶴舞、養老渓谷の10駅にデジタルスタンプを設置している。

 スタート対象駅で1個以上、ゴール対象駅で各社2個以上のスタンプを獲得すると路線別達成スタンプ、3社すべての達成スタンプを集めると全路線達成スタンプがもらえる。路線別達成スタンプ獲得者を対象に、抽選で各社のデジタルコンテンツをプレゼント。沿線指定施設のスタンプを取得すると同コンテンツの当選確率が2倍にアップする。

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