第35回「JRスポーツ賞」 選考経過
第35回(2023年度)「JRスポーツ賞」は、既報(4月23日付社告)の通り、団体賞はJR東日本女子柔道部、JR東日本秋田バスケットボール部「ペッカーズ」の2団体、個人賞はJR東日本パーソネルサービスの江島由高氏(39)=デフサッカー、奨励賞はJR東海の佐藤創太郎氏(34)=ボウリングが受賞した。また、功労賞(日本交通協会会長賞)には、JR西日本の小野正氏(60)=陸上競技と、JR西日本フィナンシャルマネジメントの植田哲弘氏(64)=バレーボールの2氏が選ばれた。以下に選考経過を紹介する。(受賞者の所属先および年齢は推薦時)
■選考経過
選考事務局に寄せられた候補はJR東日本、JR東海、JR西日本、JR貨物の4社からで、内訳は団体賞2、個人賞15、功労賞6の計23件であった。
選考委員は、五十嵐徹人国土交通省大臣官房総括審議官、桐越聡日刊スポーツ新聞社コンテンツ本部長、浅井克巳日本交通協会理事長、森本雄司鉄道弘済会代表理事・会長、上野文雄交通協力会会長兼理事長、伊藤嘉道交通新聞社社長の6氏で、4月18日午後、東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで選考委員会を行った。
❖ 団体賞 ❖
実業柔道、創部初の団体優勝バスケ国体5連覇
団体賞は2件の推薦があった。
JR東日本女子柔道部は、「厚生労働大臣杯争奪 第73回全日本実業柔道団体対抗大会」女子第一部5人制において創部以来初めてとなる優勝を成し遂げた。これまでは2016年の準優勝が最高位だった。同部では小中学生を対象とした柔道教室を行ったほか、海外選手を受け入れて合同練習を行うなど、地域・社会への貢献活動や国際交流にも寄与した。
JR東日本秋田バスケットボール部「ペッカーズ」は、鹿児島県で開催された「特別国民体育大会」バスケットボール競技で成年男子の部優勝、初の5連覇を成し遂げた。東北地域リーグにおいても6年連続の東北チャンピオンとなった。学生への指導や地域の行事への積極的な参加など社会貢献活動にも尽力した。
❖ 個人賞 ❖
W杯チーム準優勝に貢献
個人賞は15件の推薦があった。
JR東日本パーソネルサービスの江島氏は、2023年の「第4回ろう者サッカー世界選手権大会」(デフサッカーW杯)に日本代表選手として出場。チームは決勝戦で敗れたものの、初の準優勝に導いた。また、一般社団法人レプロ東京の立ち上げにも尽力、その後は理事として選手の育成にも力を入れている。
個人賞には、山本優海(水泳、JR東日本)、田中友樹(フットゴルフ、JR東日本)、堀内祐香(アルペンスキー、JR東日本)、眞山和久(パラボウリング、JR東日本)、東誠司(パラ水泳、JR東日本)、片桐悠貴(ボディビル、JR東日本)、天野祐輔(アルティメット、JR東日本)、田中里香(器械体操、JR東日本)、山下直輝(野球、JR貨物)、杉本大治(トレイルランニング、JR東日本)、福田浩也(サッカー、JR西日本)、増田誠(パワーリフティング、JR西日本)、植野辰悟(水泳、JR貨物)各氏の推薦があったが、惜しくも受賞に至らなかった。
❖ 奨励賞 ❖
スペシャルオリンピックスで金銀獲得
JR東海の佐藤氏は、「2023年スペシャルオリンピックス夏季世界大会・ベルリン」に日本代表選手として出場。ボウリングのユニファイドスポーツ・ダブルスで金メダル、団体戦の銀メダル獲得に貢献した。佐藤氏は個人賞での推薦であったが、今後のさらなる活躍が期待される点で審査委員の意見が一致し、奨励賞として表彰することを決めた。
❖ 功労賞 ❖
地域活動に長年取り組み貢献
功労賞は6件の推薦があった。
JR西日本の小野氏は、砲丸投げ選手として10年連続で全日本実業団陸上競技大会に出場するとともに、ジュニア選手の育成や大会運営など、陸上競技の発展に寄与。指導歴は25年、審判歴は32年と長年にわたり活動している。
JR西日本フィナンシャルマネジメントの植田氏は、JR西日本大阪女子バレーボール部の監督を務める。小学校などの地域活動にも取り組み、指導歴は34年。スポーツを通じた地域活性化に向けた活動などにも長年尽力している。
功労賞には、田村光弘(野球審判、JR東日本)、村松悟至(少年野球監督、JR東日本)、内藤一真(少年野球監督、JR東日本)、田中大輔(相撲指導者、JR貨物)各氏の推薦があったが受賞には至らなかった。
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